祭りのあと 10 - 12


(10)
アキラはヒカルの後ろ髪を引っ張り、口から自分のモノを出した。
ヒカルはケホケホと咳き込みつつも、アキラを軽蔑するように睨む。
アキラはヒカルを立たせると、壁に手をついて尻を突きだすような体勢をとらせた。
そしてヒカルの浴衣をめくり、肩と尻をあらわにすると後ろから抱きついた。
首筋にアキラのねっとりとした舌がうごめき、尻には硬くそりあがったモノがあたる。
しかも後ろから伸びてきた手が体のあちこちを弄くりまわすので、ヒカルはそれらを避けようと浴衣でガードしようとした。
しかしそれでもアキラは執拗にヒカルの体を求めてくる。
「何すんだよ、この変態っ!!」
ヒカルは蔑むように罵ると、アキラの腕の中で暴れた。
「それはキミのせいだろ。キミを目の前にすれば誰だって変態になるさ」
アキラは開き直るかのようにそう言うと、ヒカルの尻の間に指を滑り込ませて動きを封じた。
ヒカルはヒッと小さく悲鳴をあげたが、それでもアキラに罵声を浴びせる。
「そんなのおまえだけだ。今日だって公衆の面前で堂々と痴漢してくるし。調子こいてんじゃねェよ!!」
だがアキラは怯むことなく、ヒカルの尻の穴に指を突っ込んで遊んでいる。
ヒカルは負けじと更に罵声を浴びせた。しかしアキラに自分の弱いところをくまなく弄られているため、次第にそれは喘ぎ声へと変わっていく。
「進藤、もっと足を開いて尻を突き出すんだ。じゃないと傷つけることになるよ」
おとなしくなったヒカルに、アキラは脅すような口調で言い放った。
弱みを握られたヒカルは悔しそうに唇をかむと、アキラの言う通りにした。
何度もアキラを受け入れてきたヒカルは、その言葉の意味をよく理解していたからだ。


(11)
常に熱い視線でヒカルを見つめるアキラは、時折酷く嫉妬深く、残酷になることがあった。
例えばヒカルが自分の知らない誰かと楽しく話しているだけで、強姦とも言えるような行為をしたことがあった。
誰とでも気軽に話せるヒカルにとって、それがアキラをどれだけ苦しめるものなのか、全く予測がつかない。
たまたま話が合う人だったから親しげに話していただけなのに、まるで浮気でもしたかのように責められる。どんなに説明しても、自分を信用ぜすに嫉妬心丸出しで束縛してくるアキラを鬱陶しくさえ思った。
ヒカルにはそれが、自分を愛するがゆえの行為だとわからなかったのだ。
アキラの行動を理解できないヒカルは、暴れたり罵声を吐いたりして抵抗するしかなかった。
それが更に誤解を与える要因になるとも気付かずに、ヒカルは抵抗する。
そんな態度のヒカルに、アキラはどんなに泣いて嫌がっても聞き入れる耳をもたなくなってしまった。
しかしそれでもヒカルは、アキラの言う通りにするように努力した。
それは何をされるかわからない恐怖からというよりも、アキラのことを慕う気持ちがまだあったからだ。
まっすぐ自分だけを見つめてくるアキラに応えようと、ヒカルなりに努力した。
けれどアキラの強姦紛いの行為はエスカレートするばかりで、ヒカルの努力など無に等しかった。
自分を信じてくれないアキラを、次第に性欲のはけ口としか思われていないのだろうかと泣いた日もあった。それでもヒカルはアキラからはなれようとはしなかった。
なぜなら、アキラが本当は優しいということを知っていたからだ。
今日だって、花火大会の屋台で欲しいと思ったものを察して何でも買ってくれた。帰りの混み合った車内では、人ごみで押しつぶされないよう、汗だくになって守ってくれた。
そういったさりげない優しさをもっているアキラが、どうして乱暴なことをするのか、ヒカルには理解できなかった。


(12)
ヒカルは困惑しながらもゆっくりと脚を開いた。
しかし恥ずかしさといらだちから、尻を突き出すことまではできない。
「聞こえなかったのか? 尻をもっと突き出せと言っただろう。それともボクにけんか売っているのかい?」
アキラはそう言うと、まるで腕まで入れるかのような勢いでヒカルの尻の穴に手を突っ込んだ。
ヒカルは悲鳴をあげて、アキラの命令する通りの体勢をとった。
「わかればいいんだよ」
満足そうにそう言うと、アキラはそこから手を引き抜き、すぐさま自分のモノをあてがった。
突然の進入物に、ヒカルは何も考えられなくなった。
狭いトイレの個室ということもあって、アキラは小刻みにヒカルを攻めた。しかしヒカルのあげる喘ぎ声に
反応して、徐々に激しく突き上げる。
ヒカルは壁に頭がぶつからないように、手で必死に守った。壁を押すために腹に力を入れるので、ただでさえキツイ立ったままでの挿入は、よりアキラのモノを締めつける結果となった。
それでもアキラの腰は止まることなく激しく攻めたてる。ヒカルはあまりの激しさに泣きそうになった。
ヒカルの中で何度か達したアキラは、ズルリと自分のモノを抜き取ると、ヒカルの体を反転させた。そしてしばらくキスを楽しむとヒカルから離れた。
ヒカルはやっと終わったのかと、アキラを睨んだ。
「・・・楽しかったか? こんな風に強引にやって、おまえは楽しかったのかよ」
ヒカルは嘲るように、怒りをあらわにして言った。しかしアキラは小首をかしげるだけだった。
「誰が終わりだなんて言ったんだ? 楽しみはまだまだこれからだろう」
アキラは微笑みながらヒカルの片足を持ち上げた。ヒカルは愕然とした表情でアキラを見つめる。アキラは本気だった。
ヒカルはもう無理だと言わんばかりに、進入を拒もうとアキラの胸を押した。
「いいね、その必死になって嫌がる顔。見てると、もっと酷いことをしたくなるよ」
じっと顔を見つめるアキラと目が合う。酷いことをしている割に、アキラはいつもの優しい表情をしていた。
ヒカルは抵抗を止めて、ついそれに見とれてしまう。そんなヒカルの額にアキラは優しくキスをした。
だが抵抗がゆるんだことをいいことに、アキラは挿入を再開した。
ヒカルの切ない悲鳴が響く。アキラはそれを自らの唇で封じた。



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