塔矢邸 10 - 12


(10)
「うんっ…っ」
その瞬間アキラが下半身を強張らせ、アキラの舌がヒカルのその箇所から離れた。
だが、それは僅かな間だった。
アキラも同様に手にしたヒカルの先端を少し下に向け、顎を引いて、ヒカルの体芯を
咥え込んだ。
「…っ!!」
ヒカルの全身が震えた。
同時に互いのモノと口が繋がり合い、自分が激しく吸いたてると相手も同様に強く吸い立て、
舌を動かすと同様に舌を動かされる。
まるで自分自身を自分の舌で愛撫するような錯角がし、どうしようもなく興奮してきた。
そんなどちらが先に相手をイカせるか競い合うような行為はアキラに軍配が上がった。
「だ、…ダメ…っ…」
思わず口を離してヒカルが声を上げた。
「塔…矢、…待っ…、んっ…」
そんなヒカルの言葉を無視してアキラはヒカルのモノを手と口で抜き続ける。
「ダメだっ…って、うあ…っ」
力が入らず体を支えきれなくなって横倒しになったヒカルの体に今度はアキラが
覆い被さるようになり、行為は激しく続けられた。
「ンンっ…!!」
ビクンとヒカルの体が仰け反って、次の瞬間、ヒカルはアキラの口の中に熱い体液を放った。
「あ…、はあっ、…あ…!!」
あまりに急激で強過ぎた刺激にヒカルは全身汗ばみ頬を真っ赤に紅潮させ、涙ぐんで荒い呼吸を繰り返す。


(11)
アキラは余韻を楽しむように解き放った後のヒカルのモノをひとしきり舌で優しく慰撫していた。
「…ごめ…ん、塔矢…オレだけ先に…」
ヒカルはそう言ってアキラの腰を抱いて続きをしようとした。
するとアキラはするりと体をかわし、向きを変えて、ヒカルの顔の傍に自分の顔を寄せた。
「いいよ…。ヒカルにはこっちでしてもらうから…。」
そう言いながら、アキラはヒカルの両足の間に体を入れて依然固くなったままの自分の先端で
先程舌で濡らした谷間の奥をつんつんと突いた。
やっぱりそういうことか、とヒカルはため息をついた。そうじゃないかと思ったのだ。
「…いい…けど、後でオレにも…させてくれよ。」
そのヒカルの言葉にアキラは目で頷くと自分の指を舐め、充分に唾液に濡らすと
ヒカルの股間部分に運び、ヒカルに受け入れさせる準備を施す。
ヒカルもまだ、あれだけで体の中の変調が収まったわけではなかった。
まだ体が燃えるように熱い。
そして先刻に受けた刺激のせいで、その部分の周囲がむずがゆくもぞもぞする。
それを増幅させるようにアキラの指が押し開き、こね回す。
「さっき見ていたけど、…進藤のここ、すごくヒクヒク動いていたよ…。今だって…」
そう言うとアキラはヒカルの片足を脇に抱えるようにして双丘の谷間を十分に開かせると
自分自身を窄まりの中心に突き立て、ゆっくりと侵入させた。
「あ、あ…あ、」
数ミリ細胞が引き延ばされていく毎に与えられる苦痛とも何ともいえない感触にヒカルは
体を震わせ、切なく喘いだ。
「すごいよ、進藤…。どんどんボクを呑み込んで行く…。」


(12)
アキラはうっとりとした表情で自分とヒカルの肉体の接合部を見つめている。
その視線に恥じらうようにヒカル自身がピクリと小さく跳ねる。
アキラの一部分を呑み込んだ一帯がほのかに赤らんでしっとりと汗ばみ、妖しげに光っている。
ある程度ヒカルの内部に押し入ると一度アキラは力を入れるのを止めて
前髪と同じように少し薄茶がかった僅かばかりなヒカルの陰毛が少し乱れて
絡まり合っているのを指で軽く梳き、一度高まりを吐き出して柔らかみを戻した幹を
愛おしそうに撫でる。
ヒカルが焦れたように声をあげた。
「…おいっ!」
中途半端に体を開かれ、刺激を与えられて再び体のあちこちに虫が這うような
違和感がヒカルを襲い始めたのだ。
「ごめん、…急に突っ込んでも、進藤が辛いだけだと思って…」
そう言ってアキラは体を屈ませてヒカルの唇をそっと嘗めてきた。
その時結合部に圧迫がかかり、また一段と深くアキラがヒカルの中に入った。
「ふっ…ん」とヒカルの喉から苦しげに息が漏れた。
「…ね。…この前みたいに、進藤を泣かせたくないんだ。」
「な、泣いてなんかいねえよ!」



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