平安幻想異聞録-異聞- 10 - 14


(10)
(いやだ!)
ヒカルが抵抗しようと思う間もなく、ふたたび座間の陽物が中でゆっくり動き始める。
それは先程のように、強く蹂躙する動きではなく、
じっくりと肉壁を味わうような動きだった。
すでに固さも太さも取り戻した座間の肉鉾に、反抗心より先に
身のすくむような怯えを感じた自分を、ヒカルは恥じた。
せめて腕の一本でも自由になれば、その手を座間の首にかけて
くびり殺してやることも出来るのに…あるいは、座間の腰の太刀に手を伸ばし…
だが、ヒカルがそんなことを考えていられたのもそこまでだった。
内壁の最も性感が固まっている部分を、座間が自分の固いもので
グイグイと圧迫してきたのだ。
頭までズンズンと突き抜けるようにそこから送りだされる快楽の波に、
ヒカルは思わず息をつめる。
先程まで、乱暴にヒカルの中を行き来していた座間の陽物は今度は入念さを持って、
肌の上を這っていた手は奥底の快感を掘り起こすような淫猥さをもって動き始める。
ヒカル自身の意志とは裏腹に、ずっと刺激され続けていたヒカルの内壁は、
熱をもって、更に次の刺激を待ち受けていた。
座間の思い通りにはなるまいと、ヒカルは跳ねる体をおさえようとするが、
その打ち寄せる波のように意識を侵食してくる感覚に、ヒカルの中心はすでに頭をもたげ始めていた。
せめて先程のようには声をあげるものかと、ヒカルは必死で奥歯を噛みあわせ、
腹の奥からこみあげるものに耐えようとまゆ根を寄せたが、その表情さえ、
座間を楽しませるだけだったらしい。
「はてさて、どうやら、せめてもの意地で声だけはあげぬつもりと見えるな、
 この愛らしい検非違使殿は。
 その意地がどこまで持つか、ためさせてもらうとしよう」


(11)
座間は、ヒカルのまだ幼さの残るなめらかな肢体をなで回し、ふっくらとした
腕や足に舌で愛撫をくわえる。胸に赤く色づく突起を思う様なぶり、
それでもヒカルがギュッと目をつぶり、頬を紅潮させ歯を食いしばって
耐えているのを見ると、ついにヒカルの下腹部、茂みの下に立ち上がる
まだ幼くきれいな少年自身のモノへと手を伸ばした。
ヒカルのそれを座間の太い指がつうむようにして、根元から扱くように撫で始め、
同時にしばらくおろそかになっていた腰を強く押しだし、ヒカルの内壁を突いた。
ビクンとヒカルの体が跳ねた。
同じ動作を2回。3回。
4回目に座間は、ヒカルのモノを包んでいた手を一旦ほどき、二本の指で
ゆっくりと勃ち上がる少年のモノの裏側を撫で上げると同時に、
これ以上ないほど強く、自分の陽物でヒカルの奥を突いた。
それがヒカルの限界だった。
「うーーーっっ!!」
思わずあがった悲鳴に、悔しくて、ヒカルは潤んだ瞳で果敢に座間を睨みつけたが、
もう遅かった。
満足げに口の端をあげて、座間がヒカルの奥への攻めを再開する。
1回、与えられる快楽に墜ちたヒカルの体は、後は座間の手管に流されていくだけだ。
座間の熱い肉鉾が内壁を突くたび、座間の手が前を摺り上げるたびに、
ヒカルの体は跳ね、押さえきれない小さな悲鳴があがる。
血と精液で汚れた秘門はこれ以上ないほどの痛みを訴えていたが、
下半身を支配するしびれに阻まれヒカルの頭にとどかなかった。
「からみつく、からみつくぞ」
荒い息を吐きながら、座間が腰をゆらす。それは徐々に激しくなり、
最後に,2回、3回と組みしいた幼いの体が折れそうな程の勢いでうちつけて、
ヒカルに高い悲鳴を上げさせると、下半身を痙攣させながら、中に熱い精液を放った。


(12)
手足をいましめられたまま、ぐったりと横たわる少年検非違使の体から、
自分のモノを抜き取り、近くにあった引き裂かれた狩衣の切れ端でそれの
汚れを拭うと、座間は自分のモノをしっかりと着衣の下にしまいこんだ。
隣りで見物していた菅原に声をかける。
「顕忠、めったに手に入らぬ、珍しい珍味じゃぞ。お前も楽しんではどうだ」
「それはありがたき幸せ」
そのやりとりを、混濁した意識の下で聞いていたヒカルが怯えたように目を見開く。
もう、これ以上は耐えきれない。
顕忠が、何か訴えるように口を動かしているヒカルの様子に気づいて、
用心しながらさるぐつわを外した。
ヒカルの聞こえないほどの小さなつぶやきに、顕忠は耳をよせる。
「許して……」
それは小さな懇願だった。
「お願いだから、もうやめて…」
少年の傷だらけになった頬を涙が伝い落ちる。
敵に許しを乞うなどするものかと思っていたのに…。
近衛の家の恥になるような態度だけはとるまいと思っていたのに。
「それが駄目なら…殺して」
ヒカルのその願いは叶えられなかった。


(13)
ヒカルと座間のまぐわいを、すぐ近くで見せつけられていた菅原顕忠の陽物は、
すでに熱く勃ち上がっていた。座間のものに比べればいくぶん細くて貧相なそれは、
それでも先の部分が雁高に貼りだしており、ヒカルに声をあげさせるには十分だった。
血と座間の放ったものとでぬめる狭門に、前戯もなく自分のものを
すべりこませた菅原は、遠慮もなくヒカルの体を攻め立てる。
それでも始めこそ、歯を食いしばり耐えようとしていたヒカルだったが、
途中からは体の力を抜き、されるがままになっていた。
「あぁ…ぅんっ……ぁっ……ぁ…」
「お気に入りの検非違使が、こんな淫乱な体と知ったら、
 佐為の君はどんな顔をされるかのう」
菅原のそんな声が耳障りでヒカルは頭をふる。
ただ今は、早く終わってくれることを願うばかりだ。
無理を強いられ続けた体は、下半身の攻められ続ける秘門を中心に、
ただれるような痛みと熱をうったえていた。
もう中途半端な快楽で押さえがきくような痛みではなかった。


(14)
どうせなら痛みがわからなくなるくらい滅茶苦茶にしてくれればいいのに。
朦朧とした頭で、そんバカなことを考えながら、ヒカルはただ
菅原が終わるのを待った。
菅原の腰を打ちつける動きが速くなる。
「は……あ……あ…っ…やぁっ!」」
内壁を強く摺り上げられる感触に、ヒカルの背がわずかに反り返る。
次の瞬間には、自分の中を行き来していた菅原のものがぶるりと震え、
熱いものを奥に解き放った。
内壁をじんわりと濡れた感触が犯していく。
自分の中から菅原のモノがゆっくりと抜き出され、起ち上がった菅原が、
取り澄ました動作で着衣を整えるのが、目を閉じたままのヒカルにも
衣擦れの音でわかった。
着衣を整えた菅原は、傍で見物を決め込んでいた座間に顔を向け、
何やら頷きあうと、竹やぶの中に控えていた夜盗風の男達に声をかけた。
「そこの者共、恐れ多くも座間様が、この珍しい肴をおまえ達にも
 お裾分けくださるそうだ。有り難くいただくがよいぞ」


番外




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