初めての体験 107
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社は、ヒカルの華奢な腰に手を回し、もっと深くヒカルを味わおうとした。ヒカルの唇が
軽く開き、社を招いていた。舌を差し込むとすぐにヒカルがそれに応えた。ピチャピチャと
互いの舌を吸い合う音が社を興奮させた。ヒカルを抱く腕に力がこもった。
「ちょ…ちょっと待って…」
ヒカルが、身体を捩って、社の腕から逃れた。
「あの…あのさ、オレ、痛いのとか怖いのイヤなんだけど…」
痛そうに肩や腕をさすりながら、社を見る。
言葉の意味がよくわからなかった。ヒカルの顔を穴が開きそうなほど、ジッと見つめた。
「だからぁ、縛ったりとか叩いたりとか…」
顔を赤らめて、最後の方はごにょごにょとごまかすように、ヒカルは言った。
漸く理解して、社の頭にカーッと血が昇った。それって……えす…!?
「あんた、まさか、塔矢と…!?」
「ち…ちが…!」
ヒカルが、速攻否定した。社の顔の前で、ブンブンと大きく手を振った。
「塔矢はそんなことしない。すごく、優しいんだから…」
頬を薄紅色に染めて、ヒカルは俯いた。首筋まで紅く染まっている。
―――――残酷やなぁ…
嬉しくてしょうがなかった気持ちが、ほんの少し、しぼんでしまった。これから、SEXを
しようという相手に対して、平気で恋人ののろけ話をするなんて…。
―――――ホンマにオレとのことは、遊びなんやな…
いっそ「帰れ!」と、怒鳴ってしまえたら―――――出来るわけない…。遊びでも
何でもヒカルが欲しい。そんな自分にあきれる。
「どうかしたのか?」
ヒカルが社の顔を覗き込んだ。大きな目に情けない顔をした自分の姿が映っていた。
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