やりすぎ☆若゙キンマン〜ヒカルたん小悪魔系〜 11
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一人残された若゙キンマンは、散らばったおもちゃや地面の汚れ具合を見て、ヒカルたんが
抵抗した形跡が確かにあることを確認した。
「いったい何があったというんだ」
落ちているおもちゃを手に取り、若゙キンマンは自分が留守にしていたことを悔んだ。
そして自分がヒカルたんを信じすぎていたことにショックを受けた。例えどんなことがあ
ってもヒカルたんが自分への愛を貫くと信じきっていた若゙キンマンは、ヒカルたんの拒絶
で、いつのまにかこんなにも動揺する自分がいたことに気付く。
「何が策略だ…。あぁそうだよ、分身。虜になっていたのはボクのほうだ」
若゙キンマンはじっとヒカルたんの服を見つめる。そして手に取ると、愛しそうに抱きしめ
た。
そこにはいつもの残酷卑劣な姿はなく、愛しい者に裏切られて涙する若゙キンマンがいた。
(おわり)
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