第162局補完 11
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「もっと打ちたいって言ったくせに。」
添えていた手で、ぎゅっと手すりを掴む。
「もう待たせないって言ったくせに。」
そして振り返って顔をあげ、ヒカルを睨み上げた。
「神の一手はオレが極める、だって?」
揶揄するように言われた言葉に、ヒカルは息を飲んだ。
「キミとボクとで、二人で極めていくものだと思っていたよ、ボクは。
キミと、ボクとで、打ち合って、競い合って、そうやって一歩ずつでも高みに近づいていくものだと、」
アキラの口元が嘲笑うように歪む。
「……勝手に一人で極めればいいさ。
キミなんてもう知らない。
嘘つき。裏切り者。キミなんて、」
じわりとアキラの目にまた涙が浮かぶ。こらえるようにギリッと奥歯を噛み締めてヒカルを睨みつける。
「とう…」
「キミなんて大っ嫌いだ!!」
ヒカルの呼びかけを叩き切るように言葉をぶつけ、火花が散るほどにきつく睨み付けた後、アキラは
ヒカルに背を向けて階段を降りていった。
呆然と立ち尽くしたヒカルは、アキラを追う事ができなかった。
(終わり)
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