無題 第2部 11
(11)
のんびりと、芦原は家路を歩いた。
最初はやつれ方にびっくりしたけれど、ちゃんと食事もしたし、ずいぶん落ち着いたみたいで、
安心した。それにしても、見舞いに行ったはずなのに、気がついたら恋愛相談になっていたの
はなぜなんだろう?
この間もそんな事を聞いてきたし、アキラも、もうそんな年頃なんだな。
囲碁ばっかりで、女の子の事なんて眼中にないって感じだったけど。
どんな娘なのかな。あのアキラに、告白するなんて、勇気のある子だ、きっと。
うまくいくと良いけどな。
アイツも囲碁以外にもいろんな世界があるって、そろそろ知っても良い頃だ。
でも、アイツもウブだよな。好きだって言われたくらいであんなにうろたえるなんてさ…
いいよな、オレにもあんな頃があったよな…
ちぇ、オレも彼女欲しいなあ…どっかにいい娘いないかなあ…
|