少年王アキラ? 11
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「ねぇオガタン。眠くなっちゃった。ベッドまで連れてって。ハマグリゴイシはもう
帰っていいよ」
ハマグリゴイシはその優しい目に哀れみを浮かべてオガタンを一瞥すると、ケケと
一声鳴いて軽やかなステップであっという間にそこからいなくなった。
「あのウマ…歯を見せて笑いやがった……。クソ、そんなにオレが滑稽か?」
「ハマグリゴイシはとても頭がいいから、おかしな時には笑うんだよ。…あふ……」
アキラ王は大きな欠伸をし、両目を閉じる。先程飛び散った彼のタンパクエキスは、
彼の身体のどこをも汚していなかった。
「クソ、幸せそうな顔して寝やがって。イカ臭ぇのはオレだけかよ……」
自分の部屋と徒歩で15歩しか離れていない少年王の寝室を目指して歩きながら、
日照り続きのオガタンはなんとなく泣きたくなってしまった。
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