初摘み 11
(11)
アキラの舌が、口の中に滑り込んできた。苦しくて、息が出来ない。そこから、逃げようと
藻掻いた。その時、アキラの手がヒカルの太股を撫で上げた。掠めるように触れたかと
思えば、優しく揉みしだいた。ヒカルの抵抗が一瞬止まった。背中を駆け抜けるような
感覚に、息が詰まった。
漸く長いキスから、解放され、ヒカルは酸素を求める金魚のように口をパクパクさせた。
苦しい。それなのにアキラは口元に笑みさえ浮かべて、自分を見ている。涙が滲んできた。
灯りだって消してくれない。こんなに頼んでいるのに……ヒカルはアキラを恨めしげに
睨み付けた。
「消したら、キミの顔が見えないだろ?」
ヒカルの額にかかる前髪を梳きながら、アキラが言った。
「すごく…可愛い…」
再び口づけをされた。今度は、すぐに離れた。その唇が喉に吸い付いてきた。そのまま
鎖骨を通って、胸に辿り着いた。
「あぁ…!」
ヒカルが小さく喘いだ。アキラの手が胸をまさぐる。唇と手で両方の乳首を嬲られて、
ヒカルは身悶えた。そんなところが気持ちイイなんて…。
「やぁ…やだ…」
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