sai包囲網 11


(11)
「いくら口で言っても君が本当のことを話してはくれないみたいだから、
聞き出す手段を変えようと思っただけだよ」
「手段って・・・」
 まさかぼこにされるんじゃと、ヒカルは青くなる。碁盤より重いもの
を持ったことがないように思えるほど繊細なアキラの手が、こんな凶行
に及ぶなんて考えたくもない。まだ、囲碁を始めて間もない頃、憧れた
指が一つに握られて、自分を殴りつけたりするんだろうか。
 思わず目を閉じて身を竦ませたヒカルに、アキラはその耳元に口を寄
せて呟いた。
「違うよ、進藤・・・」
 何か柔らかいものに口を塞がれた。驚いて開いた視界いっぱいに広が
るのは、ぼやけた肌色。それがアキラの顔だと気づくのに数秒、あっと
息を飲んだ途端、口の中に進入してきたものに舌を絡め取られる。んー
んーとしか抗議の声を出せない間に、思うままにまさぐられ、ぞくぞく
とした感覚に不覚にも目尻に涙が滲んで来る。
 胸元までたくし上げられたトレーナーの下に忍び込んで来たアキラの
手が、二つ並んだ薄桃色の胸の先端に触れたとき、やっと何をされよう
としているか、ヒカルは気がついた。
 ヒカルの唇を解放したアキラは、顎から首筋のなだらかなラインを辿
って愛撫を続ける。その下でじたばたと抵抗を続けているヒカルだが、
いっこうにカーディガンを纏ったアキラの肩を押し返せないでいる。
「と、塔矢!やめろって!」
「君がsaiのことを素直に話してくれれば、すぐにやめてあげるよ」
「俺は、saiなんて、知らないって、言ってるだろっ!」
「なら、無理矢理にでも聞き出すだけだよ」
 再び顔を伏せたアキラは、立ち上がりかけた胸の飾りを口に含み、舌
先で刺激してきた。びりびりと感電したような感覚に、ヒカルは動きを
封じられた身体を、それでも何とか反らせて上へずれて逃げようとする。
その動きを読んでいたかのように、僅かに空いた隙間からアキラの手が
差し入れられ、ジーパンの上から下腹部の辺りを探られた。



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