誕生歌はジャイアン・リサイタルで(仮題) 11


(11)
「もうだめぽ…これだけやっても効果がないなんて…進藤、すまない…」
「死亡時刻を言ってもいいか〜?アキラぁ」
碁会所はパーティムードから一転、お葬式ムードへと変わっていた。
アキラは泣きながらヒカルの体を碁盤を繋いで作った寝台の上に横たえた。
元名人が沈痛な面持ちで、アキラを慰めるように優しく声をかける。
「アキラ…私が進藤君のために、鎮魂歌を歌ってあげよう…」
「お、お父さん…ありがとうございます…きっと、進藤も喜ぶと思います…」
緒方と芦原と市河は慌てて耳栓をし始める、が、間に合わなかった。


『   ホ   ゲ 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜   」


最早、もとの歌詞が何だったのか分からない。人間が聴覚できる範囲の振動数で最大の、
不快な音の周波数が碁会所全体に響き渡った。
アキラ以外の人間は皆一様に耳を塞ぎ、耐えきれず耳から血を流しながら気絶する者も大勢いた。
「ぎゃあああああああああああああああああああああ!!!!!」
碁盤の寝台に寝かされたヒカルも、その異常な音波地獄に飛びあがって耳を塞いだ。
「進藤!お父さん、進藤が…進藤が起きました!進藤、良かった!」
アキラは涙を流しながらヒカルに抱きついた。元名人も歌を止め、満足そうに何度も頷く。
「愛の奇蹟だ…よかったな、アキラ」
突っ込みの緒方は、耳血を流しながら床に横たわったままだ。



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