金魚(仮)(痴漢電車 別バージョン) 11


(11)
 「はぁ?」
門脇は絶句した。似合うかと否かと訊かれれば、「似合う!!」以外の答えはないだろう。
しかし………
 門脇がどう答えようかと逡巡していると、横から割り込む奴がいた。
「お〜似合う!似合う!」
ヒカルと同じくらい顔を赤く染めた和谷がケラケラ笑って、大きく手を叩いた。
「んじゃあ〜オレはコレ〜」
和谷はバニーガールの耳を頭にかぶって、ヒカルに見せた。
「和谷〜かわいい〜」
 二人で勝手に盛り上がるヒカルと和谷。 それを呆れて見守る三人、一人静かにだが着実に
空き缶を増やしていく越智。
「止めなくていいのかな?」
「酔っているヤツに何言ってもムダだと思う…」
「害はないみたいだからいいんじゃないかな…」
その時、背後で派手な音を立てて、何かが倒れた。
 空き缶に埋もれて、越智が潰れていた。
「あ!おい…越智大丈夫か?」
突然倒れた越智に慌てて伊角が駆け寄った。
「急性アルコール中毒かな?」
「違うだろ…とりあえず、濡れタオル持ってくる。」
ヒカル達のことより、越智の介抱の方が先決である。三人はあわただしく、動き始めた。



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