ルームサービス 11
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いやあ、もう塔矢必死でさ。
(ボクが買ったわけでは)とか
(いきなりヒトに押し付けられて・・・)
そんなもんだからオレ面白くなってさ。
(へえ、おもしれえな。オレ、つけてみよっか。な)
とか言って見たんだよ。
その時の塔矢のカオと言ったら・・・・。
オレの貧弱なボキャブラリーでは表現できないけど、いやはや
すごかったぜ。絶対塔矢にあんなカオさせられるのオレだけだぜ。
なもんだから。オレますます調子にのってさ。
それを服の上から股間におしあてて、
(ホラ、サイズぴったり。似合う?)
とか言ってみたんだよ。
その時の塔矢のカオもすごかった。
しかしこの行動をオレがアトでどれほど悔いたか。言い知れないね。
塔矢に冗談が通じないってことを忘れてたんだよな。
ふざけてるオレの横で塔矢がごくっと喉を鳴らす音が
聞こえた。そして。
(そうだな、サイズはぴったりなようだ・)
(えっ?)
(今からトイレに行くか、・・回のトイレは広いから)
(えっ?)
とか言い出したんだよ。
ものすごい真剣で、なおかつ期待に満ちた顔してさ。
オレのアタマの中で聞こえないハズの声が響いたよ。
(またヒカルは調子にのって・・・)
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