失着点・展界編 11
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「…お前には関係ねえだろ…。」
和谷の視線から顔をそむけてヒカルは答えた。途端、ズグッ!と和谷が激しく
突き上げて来た。電流のような痛みがヒカルの体の深部を走った。
「うっ…ああっ!」
顎を押さえ付けられているため、ヒカルの腹部辺りだけが反り返る。
「…何回ヤッたんだ。」
抑揚のない和谷の声。答えを与えない事には済みそうに無かった。
反り返った体は和谷に押さえ込まれ元の体制に戻される。
「…2…回…かな」
喘ぐように、呼吸を乱して答える。
「嘘をつくな!!」
3、4度、同じように突き上げられた。
「ひ…っ」
今度は和谷に体重をかけられどこも痛みから逃げるように動かせない状態で
あった。ヒカルは耐え切れず泣き声を上げた。
「うっ…あっ…、和…谷…!やめ…」
ヒカルの顎を押さえる和谷の指をヒカルの両目から流れ落ちた涙が濡らす。
「ヒッ…わかんない…よ…そんなの…ううっ」
「…分からないくらいヤッんだな。そうなんだな。」
汗と涙でグシャグシャの顔を、ヒカルは縦に弱々しく振った。
「男同志でか。…最低だな、クッ」
嘲るように冷たく笑むと、和谷が動き出した。
ヒカルの顎から手を離し、代わりにヒカルの両膝を抱え込み、深く、激しく。
「あっ…あっ!!」
彷徨うようにヒカルの両手が動き和谷のジャージの胸元を掴んだ。
だがそれは和谷に対して何の抑止力も持たなかった。
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