ウェルシュ・コーギー 11 - 12


(11)
「なんで…?」
こんなことされて、体は中途半端に煽られてまだ火照っている。
やり場のない熱と、無理矢理変態じみた行為を強いられたことへの不満と、
塔矢に遊ばれたような不安な気持ちがないまぜになって、わけがわからなくなった。
「進藤…?」
「…なんで…こんなことすんの?」
オレはとうとうぽろぽろと泣き出してしまった。
「し、進藤、どうしたの?」
あんなことしておいて、動揺してる。おかしな奴だ。
「オレ…やだよぉ…。こんな…の。ひっく…」
「ゴメン、進藤、手痛かった?」
塔矢はあわててオレの両手を縛っていた紐をほどいた。
そんなことじゃない、とオレはふるふると首を振った。
「オレ…オレ…オマエにして欲しいのに…」
「…え…?」
オレは自由になった両手を広げてお強請りするような仕草をした。

「とうや…して…」

それから先はあまり覚えていない。
望みどおり塔矢から与えられる快感に酔いしれ、あまりの気持ちよさに意識が飛んでしまったみたいだ。
しばらくして意識がはっきりとしてきたオレはうっすらと目を開けてみた。
オレはまだ塔矢の腕の中にいた。
即席でベッドがわりにしいた座布団の上で少し体が痛いけど、
何より抱きしめてくれる塔矢の腕の温かさが嬉しかった。
すりすりと塔矢の胸に頬を寄せると、塔矢が身じろぎをした。
「気がついた?」
「ん…」
「体大丈夫?」
「ん…」
「そう、よかった」
そう言ってにっこり笑うと、塔矢はまたオレを抱きしめ直した。
嬉しくなってオレももう一度塔矢の胸にぎゅっと顔を埋めた。


(12)
「ねえ、なんであんなことしたの?」
ほとぼりが冷めたと思った頃にまたしつこく聞いてくるオレにとうとう観念したのか、
「…ごめん…」と塔矢は言った。
「さっき、庭でポチと戯れるキミを見てて、変な想像してたんだ。
…その…裸で子犬とじゃれあうキミとか、子犬にアソコを舐められて恍惚としているキミとか…」
「……。…変態…」
オレはギロっと上目使いで塔矢を睨みつけた。
「べ、べつにいつもそんなことを考えてるわけじゃないよ!あの時は…その…
キミと随分としてなくて、溜まってて。久しぶりに会えたキミがひどく眩しくて可愛くて…。
…想像してたキミの姿がが見てみたくて、我慢できなくなったんだよ。…ゴメン!」
「……。まあ、いいよ。許してやる。けど二度とすんな」
「うん、もうしないよ。やっぱりボクが自分でしてあげるのが一番だってわかったから」
と塔矢は笑った。
「バカ!」
オレは真っ赤になって顔を逸らした。
しかしその時もうひとつの疑問に気がついた。
「なあ、でもどうやってポチにこんな芸当覚えさせたの?
だって預かってからたった2週間じゃん。オレに会うのも2回目だし」
「ああ、そのこと。簡単だよ」
ポチは何事もなかったかのようにまた縁側で寝ている。
「あの子、蜂蜜が大好きなんだ。キミが朦朧としている間にキミのアソコに
ポチの大好物の蜂蜜を垂らしたんだ。ポチは大好きな蜂蜜を一生懸命
舐めていただけだよ」と言って塔矢はくすりと笑った。
「!!!」
「大丈夫、蜂蜜はポチとボクでキレイに舐めとってあげたからね」
「…この…この…ヘンタイ大馬鹿野郎〜〜っ!!!」


男としてのプライドを深く傷つけられたオレは、しばらくアイツを許してやらなかった。
アイツがあんまりしょぼんとしてるので、かわいそうになって一週間で勘弁してやったけど。

でも、オレはまだ知らなかった。
あの時の、オレがイク瞬間の画像を、アイツが自分のパソコンのデスクトップに
飾って日夜ハァハァしていることを…。


おわり。



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