邂逅(平安異聞録) 11 - 12


(11)
間もなくそこに佐為の一物が宛がわれ、先走りの汁と共に先端をくりくりと押しつけられる。
未だ一度も達していないそれは熱く勃起し、光の痴態に煽られ固く怒張していた。
「光…」
掠れた声で佐為が囁く。と同時に、佐為の性が光を犯していく。
「うっ、あああああっ!ひっ、痛ぁ…」
「ぅう…光、キツイ…」
奥まで一気に押しこむと同時に、佐為はそのあまりの締め付けに光の中で射精する。
「ああっ、あうっ、くぅぅ…んぅ…」
お腹の中一杯に佐為の熱い精液を断続的に感じて、光は全身を震わせて鳴いた。
一度放ってもなお足りないとばかりに再び勃起した佐為の性は、先ほど出したばかりの
精の助けを借りてやがてゆっくりと行き来しはじめる。
光の入り口からは血液と佐為の精液が混じりながらぬちゃぬちゃと音を立てて泡だつ。
「ひゃぅ!や、ぁん…、はぁん!あぅ…うっく、ぅうう…!」
「はっ…ひかる、ひか…る…ぁはっ…ああっ」
緩やかな腰使いもやがて叩きつけるような激しい運動に変わり、光は息も絶え絶えで佐為にしがみ付いた。
光の一物は佐為と自分の腹に擦られ、再びゆるりと勃起し始めていた。
「あぅっ!さ、い…ああっ、んぁあっ…さいぃ…ひぃん…はっ…」
「あっ…光、ぅん…あっ、ああっ」
佐為は光の腰を掴んで一際大きく打ちつけると、そのままその奥に二度目の射精をした。
「あっ…あぅ、はぅん…うぅん…」
光も全身をぷるぷるとふるわせると、自分の腹を己の精液で汚した。
「はぁ、っあ…はぁっ…さい、さい…」
「ひかる…」
互いの汗と精液で濡れた体を抱き締めて、二人は深く深く息を吸いこんだ。
雨はもうとっくに上がり、雷の音も聞こえなくなっていた。


(12)
「もう、帰るのか?」
佐為が支度を整えるのを床に寝転がりながら眺めて、光は少し残念そうに呟いた。
にっこりと笑って光の枕元に来た佐為に髪を梳かれると、光はくすぐったそうに笑った。
「見送りは結構ですよ。光は体が辛いでしょう?」
途端に真っ赤になる光に、佐為は更におかしそうに笑う。
「明日仕事にならなかったら、佐為のせいだからな」
「ふふふ、良いですよ、恨んでくれても」
光の頬に優しく口付けを落とす。別れの接吻だった。
「恨んでくれても、良いですから。光…」
「ん…何だよ…?」
間近で見る佐為の笑顔は、世界で一番綺麗で儚げだと光は思う。
「さようなら、光」
「うん。またな、佐為」
立ち去る佐為の後ろ姿を見送って、光は次に佐為に会ったらまた抱き締めてやろうと思った。
そうして、もっと佐為が笑顔でいられるにはどうしたらいいのかと考えるうちに、やがて眠ってしまった。
雨上がりの空に、真っ赤な満月が雲に隠れるところだった。

<終>



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