ルームサービス 11 - 12
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いやあ、もう塔矢必死でさ。
(ボクが買ったわけでは)とか
(いきなりヒトに押し付けられて・・・)
そんなもんだからオレ面白くなってさ。
(へえ、おもしれえな。オレ、つけてみよっか。な)
とか言って見たんだよ。
その時の塔矢のカオと言ったら・・・・。
オレの貧弱なボキャブラリーでは表現できないけど、いやはや
すごかったぜ。絶対塔矢にあんなカオさせられるのオレだけだぜ。
なもんだから。オレますます調子にのってさ。
それを服の上から股間におしあてて、
(ホラ、サイズぴったり。似合う?)
とか言ってみたんだよ。
その時の塔矢のカオもすごかった。
しかしこの行動をオレがアトでどれほど悔いたか。言い知れないね。
塔矢に冗談が通じないってことを忘れてたんだよな。
ふざけてるオレの横で塔矢がごくっと喉を鳴らす音が
聞こえた。そして。
(そうだな、サイズはぴったりなようだ・)
(えっ?)
(今からトイレに行くか、・・回のトイレは広いから)
(えっ?)
とか言い出したんだよ。
ものすごい真剣で、なおかつ期待に満ちた顔してさ。
オレのアタマの中で聞こえないハズの声が響いたよ。
(またヒカルは調子にのって・・・)
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つまり冗談だって言えなくなっちまったわけだ。
だってオレトラウマなんだよ。フザケルナ!とか“キミ
の前には二度と現われない”とか。色々と苦い思いでがあんだよ。
そんなわけで。
そのブツをオレは装着して取材を受けることになっち
まったんだよ。
最大にすると音がもれるから動きは小さかったけど、そんなもんいれ
られて、オレにまともな答えが返せるわけがない。なのに塔矢はいつもど
おりにぶりっこしやがって・・・(大丈夫?具合悪いみたいだけど、進藤君?)
(大丈夫ボクが面倒みますから。)(でもじゃあ取材は早めに切り上げるよう
か?。)
(そうですね、さあ行こうか、進藤。)
てなかんじで俺をホテルに連れ込みやがった。
でもさ、オレはさ。
もちろん抵抗しなかった。ホテルに入ったら、いつもみたくめちゃめ
ちゃに抱いてもらえるんだと思った。
囲碁と同じで激しいんだ。塔矢は。
もっとも他のヤツがどうかなんて知らないけどな。
なのになんなんだろな。
俺はそれまでもたかめられっぱなしだったから、ホテルに入った途端に
めったにやらないおねだりキス自分からしまくってサービスしたのにさ。
ハゲシクむしゃぶりついていたオレの体を突然塔矢は引き離した。
オレは塔矢にそんなことされたことないから、何か気を悪くしたかと
不安になって、塔矢っ?って首をかしげた。
だけどアイツはさ。
じーっとじーっとそんなオレの顔をみつめてさ。
そして何故か感激したようにため息をつき。
頬をそめ。
真摯な顔でいわく。
「ボクは今までコドモすぎたかもしれない」
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