ほしいまま-欲儘- 11 - 12
(11)
オレの上の塔矢は肩で激しく息をしていた。
汗で、黒髪が額や頬に張り付いている。
うん、いいな、色っぽいよお前。
塔矢が、キスを仕掛けてきた。
さっきの噛みつきあいの名残みたいな乱暴なキスだ。
歯と歯がぶつかり合う勢いで、お互いの口の中をさぐり、自分の方こそより多く
相手を奪おうとしている。そんな感じのキスだ。
オレがそのキス合戦に夢中になってるうちに、塔矢が激しく
オレの体の中を突き始めた。
オレのからだがその瞬間の快楽にエビぞって、重ねていた口が外れた。
君のお望み通りに。
塔矢のそんな声が聞こえた気がしたが、なんだか頭のなかに白い幕がかかっちまったみたいだ。
オレの中を嵐の勢いで征服していく塔矢に、それでもオレは足りず、その腰に足をからめた。
(12)
塔矢は、両方の手をオレの指にからませ、そのままオレの手を床に縫い付けながら、
腰を揺すってる。
だからもっと塔矢を近くに引き寄せるために、背中や首に手を回そうにもできなかった。
揺すられる度、口から漏れるオレの声はもうほとんど悲鳴に近いけれど。
畜生。まだ足りないと思うオレは、相当に貪欲だ。
塔矢、もっと近くに来いよ。もっともっと、溶けあって、一つになって
お互いの皮膚の境目もわかんなくなるくらい。
オレ達が別々の人間なんだって忘れてしまうぐらいになれたらいい。
塔矢がさらに、腰ごと押し付けるようにして突き入れてきた。
打ち付けるたび、塔矢の袋の感触が、しりにあたった。
その塔矢をさらに奥に迎え入れたくて、オレはあいつの腰にからめていた足をほどき、
軽く折り曲げたまま、腿を大きく広げた。
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