初めての体験 11 - 14


(11)
「いやだ─────────!!!」

桑原はゆっくりと動いた。ヒカルは揺すられながら涙を流し続けた。

自分は今、桑原に犯されている。
猿のように醜いこの老人に・・・。
しかし、この考えはヒカルを次第に陶酔させた。『醜い老人に犯される自分』それはヒカルを興奮させた。
桑原に盛られた薬のせいかもしれない。
「ああ────────っ!!」
ヒカルがはてても、桑原はまだうごめいていた。



桑原本因坊・・・伊達に年は食ってない!ろうかいな作戦に要注意!

ヒカルが手帳に書き込んだ文章を見て、
「なんだお前?本因坊と対局したのか?」
と、緒方が訊ねた。
「うん。今日時間があったから一局打ったんだけど・・・。手も足も出なかった。」
緒方が落ち込むヒカルの頭を撫でながら言った。
「食えないじーさんだからな。まあ落ち込むな。」
「すごくねっちこいんだぜ。」
ヒカルがふくれっ面をした。
緒方がヒカルを膝に乗せたとき甘えるようにヒカルが言った。
「それでね緒方さん。今日オレすごく疲れてるんだけどしなきゃだめ?」
「しょうのないやつだ。」
緒方はヒカルの頬を軽くつねって言った。

<終>


(12)
ヒカルのシステム手帳は、表紙が紺、背表紙が茶の革で出来ていて、
中学生の子供が持つには贅沢すぎる品だ。もちろん、ヒカルが自分で買った
わけではなく、プロ試験合格のお祝いとして貰った物だ。

「マスター、ホントにこれもらっていいの?」
ヒカルが目を輝かせて、聞いた。
「ああ。お祝いだからね。進藤君もこれからプロとしていろいろな仕事が
入るだろうから、こういう物も必要だと思ってね。」
マスターは、にこにこと人好きのする笑顔で言った。ヒカルは和谷と伊角に
連れてこられて以来、たびたび、この碁会所に通っていた。
大人慣れしていないヒカルは、初めこそ殊勝にしていたが、時間がたつにつれ、
いつもの闊達なヒカルに戻っていった。明るくて、人懐っこいヒカルは、
今では、この碁会所のアイドル的な存在だ。マスター自身もヒカルが可愛くて
しょうがなかった。
「ホントにありがとう!」
ヒカルは礼を言った。嬉しそうに頬を紅潮させて、何度もその手帳を開いたり、
閉じたりして見せた。ヒカルの嬉しそうな顔を見て、マスターもますます笑顔に
なった。が、ヒカルが急に沈んだ顔を見せた。
「どうしたんだい?何か気に入らないのかい?」
マスターが不思議そうに訊ねた。ヒカルは慌てて首を振って言った。
「ううん!ちがうよ!・・・オレ・・・お返し何にもできねぇなあと思って・・・」
「ハハハ。何だ。お返しなんていらないんだよ。」
マスターはヒカルの頭を撫でながら、言った。
「プロとして、がんばってくれれば、それでいいんだ。」


(13)
「マスターありがとう!」
ヒカルがマスターの首に飛びついた。マスターは少し狼狽えた。ヒカルがしがみついて
来る前に見せた表情が妙に色っぽく、いつものヒカルとは、まるで違って見えたからだ。
マスターは、気のせいだと思った。しがみついてはしゃぐヒカルは、いつもにもまして
子供っぽい。
その時、ヒカルが呟いた。
「オレ・・・ホントは・・・強い奴がいいんだけど・・・マスターならまぁいいか・・・」
マスターには、ヒカルの呟きがよく聞こえなかった。「何?」と聞き返そうとした時、
ヒカルの唇が、マスターのそれを塞いだ。深く舌を差し込んでくる。マスターは、
ヒカルを押しのけようとしたが、出来なかった。ヒカルのキスは余りにも刺激的で、
マスターはその快感にうち勝つことが出来なかった。
ヒカルがマスターから離れた。その唇が動いた。
「マスター・・・オレのこと好きにしていいよ・・・」
今、サロンの中には、ヒカルとマスターの二人しかいない。心は決まった。
マスターは入り口の鍵を閉め、カーテンを引いた。その様子をヒカルはクスクスと
笑って眺めていた。
マスターの目の前で、ヒカルは服を全部脱いだ。マスターはヒカルに見とれた。
少年らしいすんなりと伸びた手足、やや細すぎるが、しなやかな体。
マスターはヒカルの体にそっと触れた。


(14)
マスターはヒカルを机の上に横たえた。ヒカルはマスターに甘えるように言った。
「マスター・・・乱暴にはしないでね。」
マスターはヒカルの言葉に頷くと、その唇にキスをした。

「あぁ・・・マスター・・・」
マスターはヒカルの望む通り、これ以上ないだろうと思えるくらい優しくした。
ヒカルはマスターが触れるたびに、「あん・・・」と甘い声を漏らした。
その声に煽られるように、マスターはヒカルを愛撫し続けた。
細い首筋や、小さな乳首に舌を這わした。そして、立ち上がりかけているヒカル
自身を舐めあげた。ヒカルの体がブルッと震えた。マスターは動きを止めた。
「や・・・やだ・・・マスターやめないで・・・」
ヒカルが喘ぎながら訴えた。ヒカルは、どうやら嫌がってはいないらしい。
「あん・・・気持ち・・・い・・・」
マスターは机の引き出しから、ハンドクリームをとりだし、それをヒカルの後ろに
塗り込めた。ヒカルが小さな声で喘ぎ続ける。
「マスター・・・して・・・」
マスターは自分自身にもクリームを塗ると、ヒカルの中にゆっくりと入っていった。
「───────────────っ」
サロンの中に、ヒカルの嬌声が響いた。


ヒカルは自室で佐為に訊ねた。
「なあ?今日オレどうだった?」
「ふー。まだまだ甘いですねぇ。ヒカルは・・・」
佐為がまるでなっちゃいないと言うように答えた。
「えー?なんでぇ?オレがんばったじゃん。」
文句を言うヒカルを佐為が諭した。
「まだまだ技術が足りません。精進しなくては。」
「神の一手に到達するって厳しいんだなー。」
ヒカルは大きくため息をついた。
「まあいいや。オレ今度からこれに記録つけることにするよ。」
ヒカルは、システム手帳を大事そうにリュックにしまった。

<終>



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル