平安幻想異聞録-異聞- 番外 11 - 15


(11)
そう言いながら、男はヒカルに近づき、その開かされたままの足の間にかがみ込む。
「男も女も、後ろの門で感じる場所はたいして変わらんさ」
男はヒカルの体を検分するように、その体の線をなで回し、確かめる。
「貴様、…男を犯った事があるような口ぶりだな?」
「あぁ、ずいぶん昔にな」
男の手は、ヒカルの少年検非違使の、まだいくぶん細い首にかかると、
その首から背へ、背から腰へ、腰から尻へと、味わうように撫で下ろしていった。
「10年ほども前だったか、さる貴族の奥方様の依頼でな。
 その奥方には子供ができなかったんだが、旦那の愛人の方が男子を
 産み落としてしまってな。女の嫉妬とは恐ろしいものよ。
 金は弾むから、齢12になろうというその愛人の息子を攫って、
 殺してくれと、そう言われたのよ」
男は、そのまま、手を、ヒカルの双丘の谷間にすべりこませる。
そのまま、指で秘門の入り口を何回か叩いたあと、その指を
二本――中指と人さし指をそろえて、おもむろに中へと差し入れた。
「は…ん…っ」
まだイキきっていないヒカルの体が、ピクリと反応をしめし、
その口からは小さな喘ぎがもれる。
すでに嫌というほど、指よりはるかに太いモノで蹂躙され尽くしたそこは、
抵抗もなく男の指先を飲み込み、からみついた。


(12)
1番目の男が訊いた。
「それでどうしたんだ?」
三番目の男は、ヒカルの中の熱さと、まとわりつく肉の感触にほくそ笑んで、
指をさらに奥へと押し込み、
さらにその熟れ具合を確かめるように、中をゆるくかき回す。
悲鳴のような、すすり泣きのような、小さな声がヒカルの口から漏れはじめた。
「その愛人の家に闇に紛れて忍び込み、その子供をかかえるようにして攫って逃げた」
「あ…あぁぁ!」
その時、ヒカルが足を細かく震わせ、ひときわ高い声を上げたのは、
男が突然、中の指を2本そろえてヒカルの前立腺が通るあたりの壁を
強く押したからだ。
そうして男は、次にヒカルの中の壁をじらすように擦りながら、
開いている方の手を腹から胸へ、そして胸で色づく小さなヒカルの乳首へと延ばし、
それを手のひらでころころと転がした。
ヒカルは何かに耐えるように、わずかに眉をよせながらも、喉からは、
とめどのないあえぎ声がもれ、足は、男の指が動くたびに、ひくりひくりと震えている。
その足の筋肉の動きはそのまま内壁に伝わり、男の指をやわやわとしめつけた。
「こりゃ、本当に自分の摩羅を入れられないのが口惜しい」
男が舌なめずりをした。


(13)
「それで?」
2番目の男が先を即した。
「近くの山に逃げ込んで、すぐさま殺しちまおうと思ったんだが、
 これがなかなか美しい顔立ちの童でな、気がついたら、着物を剥いて、犯していた」
ヒカルの薄い色をした右側のの乳首をなぶっていた男の手がこんどは、
左側の乳首をなぶり始めた。
「ひっ………や……や…ぁ……」
ヒカルが声をあげながら、しっとりと汗に濡れた顔を振る。
ひとしきりヒカルの乳首をいじめた男の手は、今度はわきばらをとおって、
太ももの外側からかかえるように、股の内側、太ももの一番白い部分に寄せられた。
前の男の精液が濡れてこびりついたそこを、味わうようになでまわす。
「まぁ、その童も、これほどの上玉じゃなかったな」
薄く笑いながら男は、中をいじる右手を止め、
ももの所にあった左手をヒカルの顔のところに持っていった
その額や頬に濡れて張り付いていたヒカルの髪をよけて、
涙に濡れたその顔を月明かりにあらわにする。
顔を背けるようにして地に戒められている少年検非違使の
その顔の輪郭は、どこかあやふやで、なぞめいた少女のようで、
きつく閉じたまぶたにこびりついた涙の粒が、
葉の隙間から差し込む月の光りにチラチラと光っているさまは
こんな状況でもなければ、美しいと言っていい光景だったろう。
一番目の男が訊いた。
「それで、おまえさん、その後どうしたんだ」
「あぁ、3回ほど、精をそそぎこんだあと、喉をかっさばいて殺した」
「あ!やっ……あっ、あ、……」
ふたたび、内壁を撫でるように刺激しはじめた男の指に反応して、ヒカルは
もどかしいように身をよじり、小さな悲鳴をあげる。
「おまえさん、こいつも勢いあまって殺しちまうなよ」
二番目の男が笑いながら言うのに、三番目の男は答えず、ヒカルの上にのしかかり、
その腰を強く抱き寄せるようにして、つぶやいた。
「ぼうず、極楽を見せてやるぜ」


(14)
その男の指が体の奥に入って来たとき、ヒカルは正直言って、少し安心したのだ。
今度は、きつく押し広げるような重量感のある、男のモノではない。
少しは休めるかもしれない、と、夢うつつのような意識の中で思ったのだ。
だが、それが甘い考えだったことはすぐにわかった。

ヒカルの中に入ってきた指は的確に急所をついてきた。
先のまぐわいで最後まで到達していないヒカルの体は、やすやすと
快楽と痛みが交じり合った、混濁の海に放り込まれたが、
男の指は、それ以上強く突く事も圧迫することもなくゆるゆると内壁を撫でている。
それに気を抜いた瞬間に、一番よく感じる場所を強く押された。
思わず悲鳴があがった。
秘口付近を撫でるように愛撫しては、奥に差し込み、ひいては、突然急所を突き上げる。
乳首を乱暴になぶられる痛みさえ、しびれになって背筋をかけのぼる。
「あぁ、あ、……や……っ!」
急所を突かれるたび、ピクリピクリと足が跳ね上がるのが止められない。
「ぼうず、極楽を見せてやるぜ」
男が耳元でささやいた。


(15)
男の指が奥に差し込まれる。敏感になった内壁を摺り上げるようにして、
指をギリギリまで抜いてしまう。
かと、思うと、奥までさしいれ、指先で内壁を強く突き、なぶり、こねまわし、
ヒカルに身もだえするような快楽と刺激をあたえて、今度はわざと、
その周辺の急所をわずかに外した場所を、2本の指をばらばらに動かして刺激する。
「あんっ、……ん、……や、やぁ、っはんっ…………ひっ」
その手管にヒカルは、もだえ、あえぎ、身をよじる。
その秘門の内の肉は、今や、わざと場所をはずした男の攻撃を責めるように
そのの指にからみついていた。
「おねだり上手じゃないか」
男は笑いながら、2本の指をヒカルの中の急所に乗せると、
おもむろに2本の指でその部分の肉を挟んだ。
「いや、あぁぁ!! あぁぁっ」
ヒカルの体が大きく反り返った。
「や、やぁぁっ、あん、あっ…あぁっ」
「おねだりをきいてやったつもりなのに、いやなのかい」
そういいながら、今度は間断なく、ヒカルを攻める。ヒカルの中の壁の肉を、
2本の指ではさみ、なぶり、掻き出すように折り曲げて強くこする。
「ぁっっ、やだ、やっ……やっ…はん……あぁっ!」
男の休みない攻めに、飲み込みきれなかった唾液が少し、ついっと、
ヒカルの口の端からこぼれた。
男の緩急をつけた攻めの手管に乱されていくヒカルの痴態に、
まわりの男達が、ごくりと生つばを飲み込んだ。
「やだっ、あぁ、……は……」
「言うことをきいてやったのに、いやだとは、わがままなお子じゃのう」
中の男の指の動きが強くはげしくなった。
男は今度は指を止める気はないようだった。
ヒカルは、その男の指にいいように悲鳴を上げさせられた。
そして、先にイキそこねていた体は、これ以上ないほど敏感になっていた。
「あぁぁ、あぁ、やぁ、あ、…あぁぁぁ!」
その秘門はいつのまにか、男の指を放すまいとするようにきつくと銜え込んで、
しめつけている。
男の指が、ヒカルの肉壁をこれでもかとねぶる。
もう少しでヒカルが達しようというその時だった。
と、突然、その指の動きが泊まった。



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