昼下がりの遊戯 11 - 15


(11)
「そして、凄く感じやすいよね」
ヒカルの素直な反応に満足しているかのような笑みを浮かべながら
触れている指をゆっくりと円を書くように擦ると
その部分がビクビクと微かに痙攣する。
「ああっ!あっ…あっ!」
ヒカルは甘い刺激に耐えきれずに喘いだ。
ブリーフ越しのアキラの愛撫をもっと感じたいかのように、
無意識に腰がうごめく。
「ふふ 進藤。どうして腰を動かすの?気持ちいいの?
じゃあ…もっと気持ちよくしてあげるね」
アキラは幼子をあやすような言い方でヒカルの耳元でささやき
ヒカルのブリーフに手をかけ、ゆっくりと脱がした。
あらわになったヒカルの秘部はヘソの方向へ大きく反り返り、
赤く充血した先端は透明な粘液に包まれててらてらと卑猥な光を放っていた。
「こんなに濡らして…女の子みたいだね。ほら、こんなに糸が引いてるよ。
いやらしいね。」
アキラは薄笑いを浮かべ、指で掬い取った粘膜をヒカルの目前に持ってくると
わざと音がたつように指の先を擦り合わせ、
糸を引く粘膜の様をヒカルに見せ付けた。
「……馬鹿やろっ…そんなもん…見せるなよっ…」
顔を真っ赤にして悪態をつきながらヒカルがアキラを睨み返す。
だが、その目の表情はあきらかに欲情していた。


(12)
「そんなもんって…自分のだろう?」
ヒカルに視線を合わせたまま、自分の指先をぺろりと舐めた。
液の付いた指をヒカル自身に見立てて、いつもの愛撫のようにゆっくりと。
ヒカルは自分自身が舐められているかのような錯覚を覚え、ピクッと肩を震わせると
羞恥心に大きく潤んだ瞳を伏せた。
アキラはそんなヒカルの様子を愛しそうに見つめている。
竿の部分を手の甲で、触れるか触れないかの微妙な刺激を与えてやると、荒い息が
余計に震えを帯びてくる。
「どうしようか…触って欲しい?それとも舐めて欲しい?」
ヒカルはいやいやをするように首を振る。
「して欲しくないの?…ふーん……ボクはしてあげたいんだけど」
そう言うと両手をヒカルのペニスに被せるようにした。しかし、決して触れてはいない。
「まず、ここ全体を擦って…」
アキラはその言葉と共に、擦りあげる真似だけをする。触れられていないペニスにも
手のひらの温かさが伝わり、実際に触られているような感触さえする。
「次に、ここの入り口を指先でくりくりって…」
アキラはまた言葉どおりの行動をした。…もちろん真似だけで。
「進藤って好きだよね、ここ弄られるの」
「ふ、ぁ…」
アキラのいつもの愛撫が思い出され、思わず小さな声が漏れてしまった。
「…触ってないのに感じてるの?」
「――!!」
ヒカルは真っ赤になってアキラを睨み付けた。
「そうやってまた睨む。本当にカワイイねキミは」
どんなにヒカルが睨んでもまったく意に介さないアキラは、さっきの野菜をとりだした。
取り出した野菜は二つ。
「どっちがいい?」
両手に掲げるのは…ナスと、沖縄名産ゴーヤ。
どっちがいいかと聞かれれば、そんなものは一目瞭然である。ヒカルが口を開こうと
すると、それをさえぎるようにアキラがまた言葉を発した。
「キミに選ばせてあげるけど…。それじゃ面白くないな。そうだな……賭けをしようか」


(13)
アキラは、部屋の隅に置かれている碁盤に目をやった。そして、盤の上に置いてある
碁笥を手にとって眺めた。
『賭…?』ヒカルは、ぼんやりとアキラを見つめた。中途半端に煽られ、
頭がまともに働かなかった。ヒカルには、アキラの意図がわからなかった。

「ねえ、進藤…これを使って、賭をしよう。」
アキラは、碁笥の中から碁石をとりだして、ヒカルに笑いかけた。


(14)
「黒石だったらナス、白石だったらゴーヤ。どちらか一つだけ、進藤が
とった方にしよう。」
アキラはそう言うと、白と黒の2つの碁石を口に含んだ。
そしてヒカルにくちづけした。
「ん…ん…」
重ね合わせた互いの唇の中で、まずヒカルの口の中に2つの石が移動する。
そうして今度は、そこから一つの石がアキラの口の中に戻された。
お互い自分の石を舌の上に乗せて口を開き、見せあった。
「あ…」
ヒカルはアキラの口元を見て少し動揺し、逆にアキラは嬉しそうに笑みを浮かべた。


(15)
「賭は賭だからね・・」
石の色の結果が示した方の野菜をアキラは両手で持った。
それとヒカルの表情を楽しそうに見比べ、その側面に舌を這わした。立てた野菜の根元から
先端へとゆっくりと舐め上げ、先端をチロチロと舐める。
それを見ていたヒカルはごくりとつばを飲んだ。
まるで自分のそこをアキラにそうされているようにムズムズしてハアハアと息遣いが荒くなる。
ベッドに腰掛けた状態で、そおーっと自分の手をむき出したままの股間に持って行った。
「ダメだよ、進藤。」
ピシリとアキラに制しされる。
「そんなあ・・なあ、塔矢あ・・」
ヒカルが早くどうにかして欲しいとねだるように腰を揺らし、もう長い間
勃ち上がったままのヒカルのペニスが雫を新たに滲み出した。



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