散光 11 - 15


(11)
静かな室内に押し殺したような呻き声とモーター音が響く。
最初の内はそれでも耐えられない事もない、ただ異物感に悩まされるだけだったが
それでもこのまま続けば便意を引き起こされるような気がして、アキラは何とか
中のモノを体外に押し出せないか力んでみた。
しかしピッタリと身体にフィットした制服のズボンに張り型が少しつかえるだけで、奥の
振動する物体までは到底吐き出せそうになかった。
それどころか、中のモノが若干出口に近い場所に移動したとたん、びくりと体が疼いた。
「ふ…あ…っ」
あまり神経がないと思っていた腸壁のある部分にそれが触れてぶるぶると振動が伝わると
にわかに、強い尿意にも似た感覚が走った。
「くン…ふっ」
尿意に限り無く近く、何かを外へ吐き出そうと作用するその感覚にアキラは驚き、再び
腰の位置を戻し張り型を奥に戻す事でどうにかしようとした。
ずぶりと再度張り型が内壁を擦りながら収まった時、何とも言えない感覚がアキラの内部に流れた。
「ん…フウ…フウ…」
アキラが僅かに腰を浮かすと内圧で再びゆっくりと張り型が外へ押し出されて来る。
それを座り直す事で奥に戻す。敏感な箇所に触れさせては奥へやる、
その繰り返しにアキラは無意識にはまり込んでいた。


(12)
目を閉じ、ズボンの中に射精しない程度に、それはささやかな甘い感触をアキラは味わっていた。
今までに味わった事のない、深い部分が掘り起こされ耕されて行くよな感覚だった。
その時だった。
「ユン先生、いらしゃいますか?」
隣の囲碁部の対局室に何人かの女子生徒が入って来る気配にアキラは我に返った。
「お留守かなあ。」
「隣の準備室じゃない?」
足音が近付いて来る。アキラはヒヤリとした。だが、確か先生は鍵を掛けていったはずだ。
ノック音と供にガチャガチャとドアノブを回そうとする。
「困ったなあ、この中に余っているモップがあるはずだけど…」
どこかの後片付けを言い遣った下級生のようだった。
「あ、ここの鍵あるわよ。先生用と生徒用と。たしかその棚の抽斗…これこれ。」
アキラの全身から汗が吹き出る。こんな状態の姿を見られたらまっ先に他の
教師らが呼ばれてしまうだろう。そうしたら――。
だが身悶えすればする程内部で物体が踊り、緊張感からか急速にアキラの内部が高まって行った。
鍵穴に鍵が差し込まれる音がしてガチャガチャと回そうとする。
もうダメだと思った瞬間どうしようもなく熱い感覚がアキラの背骨から腰へと駆け抜け、
ズボンの中にほとばしった。
ハンカチを噛ませられてなかったら泣き声に近い悲鳴を上げていた。
「…ダメみたい、鍵が付け替えられたのかしら。いつのまにか。」
「音楽室の準備室に行ってみよう。」
足音と気配が遠のく中、アキラは涙で潤んだ睫毛を伏せて荒い呼吸をくり返していた。
全身が脈打つような激しい動悸となお与えられ続ける刺激に身を晒しガクガク震えていた。


(13)
女性徒達の気配は去ったが、アキラは新たな苦難を強いられていた。
「フウッ……フウッ…――」
限界に行き着いて吐き出した後で、さらに敏感な部分に物体によって機械的に刺激を与え続けられる。
やっとの思いで体制を立て直し最初の位置まで張り型を押し込んでみたが、
機械的な振動は張り型を震わせあまり変化がなかった。
それより動く事で更に敏感になった腸内全体に刺激が走る事の方が辛かった。
アキラは一刻も早くユン先生が戻って来る事を祈った。
この状態が長く続いたら自分はどうかなってしまう。祈る間に次の高波が押し寄せて来ていた。

書類ケースを抱え、先生が戻って来たのはそれから1時間半程経ってからだった。
「おやおや…随分大変だったみたいですね。」
頭をがっくりと垂れて半分気絶しかかっていたアキラのズボンの股間のあたりに大きく
染みが広がっているのを見て、ユン先生はまた別のハンカチでアキラの顔に流れ落ちた汗の痕を
拭き取りながら声を掛けた。
モーター音は止まっていた。アキラは顔を上に向けられ、疲労で力をなくした瞳で先生を見た。
「20分おきに5分間切れるようにセットしてあったんだよ。入りっぱなしではあまりに
塔矢が可哀想だと思ったので。」

そう。最初にスイッチが一度切れた時、アキラは安堵した。だが再び振動が始まると
嫌でもその都度内部の異物が連係してアキラを責め、到達へと導いたのだ。
早い時間に到達してしまい10分近く苦しみを味わった時もあった。
今にも尿を漏らしそうになったがそれだけは嫌だとギリギリの所で耐えたのだ。


(14)
先生はアキラのズボンのベルトとボタンを外し、ファスナーを下ろすとブリーフごと下げて
片方の足ずつ引き抜かせた。
その足は椅子の肘の上にのせられてやはり革ヒモで固定された。
「暴れるとスイッチを入れるよ」と言われてアキラは無抵抗に従った。

「お漏らしはしなかったようだね。大した精神力だ。」
体液を丁寧に取り除き、ブリーフとズボンの内部を水で濡らしたタオルで汚れを取り、
空調機の前にハンガーで掛け、ドライのスイッチを入れる。
「帰るまでには乾くだろう。」
そしてアキラの方に向き直った。
椅子の上に大きくMに足を開かれて固定されているアキラの姿があった。
上半身は海王の制服に身を固めながら、下半身は白濁の液体にまみれたペニスを曝し、
その奥の秘部の口から張り型の一部を覗かせている様は酷く淫猥であった。
それでも顔だちは理性の光を残し、ぎりっとハンカチを噛み締め窓の外へ目を反らしている。
先生は手を伸ばし、張り型を摘むとゆっくりそれを引き抜いた。
「くふっ…ン…くン」
ビクンビクンと数回アキラの腰が震えた。張り型を吐き出してもそこは閉じる事なく
痙攣し切なそうに内部の赤く染まった肉壁を覗かせていた。
「あと一つは自力で出しなさい。私の指では届かない。」
アキラは目を見開いた。コードで繋がっているのだからそれを引っ張ればいい話だ。
アキラは一瞬反抗的な目付きを先生に向けた。


(15)
だがすぐに目を閉じ、弱々しく首を振った。
頼むから今は一時でも早く体内から異物を取り除いて欲しかった。

「自力で出さないと、辛いのは君の方だよ。」
先生はもう一度制服の上着の前を開き、シャツをたくしあげ、両方の乳首を指で刺激する。
「――!…」
一度激しく刺激され、間を置かれた乳首は再度の刺激に十分すぎる程反応した。そうしながら
アキラの足の間に顔を埋めて膨らみかかったアキラのペニスを口に含む。
ほぼ同時に内部でモーター音が響き始めた。
「!!!」
言葉にならない感覚にアキラは首を強く振り、体を揺り動かした。
「自分で出す気になったかい?」
ユン先生の言葉にアキラは必死に首を立てに振る。
「では、やってごらん。見ていてあげるから。」
観念したようにアキラは腹部に力を入れた。ほとんど排便に近い感覚で異物が振動しながら
腸の中を移動して行くのが分かる。やがてそれは赤い肉壁の隙間を丸く押し広げて
アキラの股間から押し出され、床の上に落ちた。
「まるで卵を産み落としたようだね。」
ユン先生はピンク色の物体を拾い上げ、労を労うようにアキラのたった今それを排出した部分を
指でこねるように摩る。
「とても熱くて柔らかくなっているね…とろけそうだ。」



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