検討編 12
(12)
「あー、でもさぁ、ホラ、女のコも最初は痛いっていうから、男の場合でも最初は痛くてもその内よく
なるんじゃないかな?」
そう言ってもう一度アキラの上に圧し掛かり、ソファの上に押し倒そうとする。
「だから、塔矢、ちょっとだけ、ガマンして?」
「…なんで、ボクがそんなもの我慢しなきゃいけないんだ。」
ずず、っとアキラが逃げるように身を起こす。
「慣れればきっと平気だからさぁ、」
「慣れるもんか。慣れたくないね、そんな……こら!触るな!!」
パシッと音をたてて、アキラの手がヒカルの手を叩きはらった。
「………ケチ。」
なにがケチだ、と冷たくヒカルを見るアキラの目を、ヒカルは恨みがましげに見返した。
「ずりぃよ、塔矢。」
「…ケチだのずるいだのそういう問題じゃないだろう。」
まるで、そっちが悪いと言わんばかりのヒカルの言い方に、アキラは半ば呆れて、
「それとも、」
と言いながらアキラがヒカルの手首をとった。
「え、え、うわわっ!」
一気に体勢を入れ替えられてしまって、ヒカルは呆然としてアキラを見上げた。
「それ程平気だって言い張るんならキミで試してみるか?」
「え?」
「キミのにボクのが入るかどうか、試してみてやろうかって、言ってるんだよ。」
「え…それは……ちょっと、カンベン……」
「……随分な言い草じゃないか、進藤。」
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