クチナハ 〜平安陰陽師賀茂明淫妖物語〜 12


(12)
あれから数日経った。
未明、明は自邸の暗い室内でおぞましい責め苦と闘っていた。
「くっ!ハァッ、ハァッ・・・!ぐぅぅ・・・っ!」
一晩中の攻防に身悶える明の体からは装束が自然と乱れ解け、
今や半裸に近い状態となっていた。
身体の節々が痛む。
堅い床の上で長時間転げ回ったため、痣になっているのだろう。
だがそんな痛みは問題ではない。
いま明を悩ませているのは、苦痛をも凌駕して身体の芯から己を蕩かすような、
遣る瀬無い快楽だった。
――強情なひとだ。痩せ我慢はおよしなさい。疾うの昔に限界は超えているはず・・・
「ぐっ、黙れ・・・!」
幾度となく噛み締めた唇は既に破れて血の味がする。

男は、人語を語れども既に人の形を成していなかった。
黒っぽく長くうねる巨大な影となって明の全身に絡みつき、
堅い床と白い膚の上をズルズルと移動していた。
その形状は、例えるなら蛇――クチナハの如きものだ。
それは影のように実体無きものと目には見えながら触れれば確かな質感があり、
頭部と思しき部分には酸漿の如き二つの赤い目と先の割れた長い舌がある。
その点も蛇に似ている。
普通の蛇と異なるのは、その尾部がどうやら己の意志によって
自在に膨張硬化させうるらしいという点である。
膨張時のそれは人間の男の巨大な陽物に似ている。
クチナハはそれで明の後門を犯す。
クチナハの体表から絶えず分泌される粘液に触れた箇所から、
明の全身がジクジクと狂いそうに疼く。
堪え切れず明が精を放つと、先の割れた頭部が待ちかねたように絡みついて
美味だ、美味だと残らず舐め取る。
それをずっと繰り返していた。



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