少年王アキラ 12


(12)
アキラ王は、結束の堅いイゴレンジャーから如何にしてレッドを奪うかを模索していた。
遠い空の向こうで、彼らが醜い仲間割れをしているなどと、露ほども知らずに…。
「いや、まずは万馬券を当てることだ…レッドのことはそれからゆっくり考えよう…」
アキラ王は首を振った。同時に二つを手に入れようとすれば、ろくなことにはならない。
確実に一つずつ手に入れるのだ。万馬券とレッド、両方を手に入れるにはそれが賢いやり方だ。
アキラ王は堅実な性格だった。
「必ずレッドを我が手に…!」

アキラ王が城の前庭に出ると、飛行船がもう既に待機していた。
アキラ王の乗船をいまかいまかと待っている。
「王よ…いつでも出発出来ます。」
オガタンが、アキラ王に声を掛けた。
「ハマグリゴイシは?」
ハマグリゴイシとは(つい先ほど名前が判明したばかりの)アキラ王の愛馬である。
「じきにこちらの方へ…」
可憐な執事座間が恭しく頭を下げた。座間が体を動かす度、スズランの香りが
宙を漂った。

全ての準備が整い、少年王は満足そうに頷いた。
そして、再び鞭を空で撓らせると、真っ直ぐに天をさす鞭の先を見つめて言った。
「いざ、金沢へ!!」
太陽の光が、アキラ王を神々しく照らした。



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