平安幻想異聞録-異聞- 12


(12)
手足をいましめられたまま、ぐったりと横たわる少年検非違使の体から、
自分のモノを抜き取り、近くにあった引き裂かれた狩衣の切れ端でそれの
汚れを拭うと、座間は自分のモノをしっかりと着衣の下にしまいこんだ。
隣りで見物していた菅原に声をかける。
「顕忠、めったに手に入らぬ、珍しい珍味じゃぞ。お前も楽しんではどうだ」
「それはありがたき幸せ」
そのやりとりを、混濁した意識の下で聞いていたヒカルが怯えたように目を見開く。
もう、これ以上は耐えきれない。
顕忠が、何か訴えるように口を動かしているヒカルの様子に気づいて、
用心しながらさるぐつわを外した。
ヒカルの聞こえないほどの小さなつぶやきに、顕忠は耳をよせる。
「許して……」
それは小さな懇願だった。
「お願いだから、もうやめて…」
少年の傷だらけになった頬を涙が伝い落ちる。
敵に許しを乞うなどするものかと思っていたのに…。
近衛の家の恥になるような態度だけはとるまいと思っていたのに。
「それが駄目なら…殺して」
ヒカルのその願いは叶えられなかった。



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル