金魚(仮)(痴漢電車 別バージョン) 12
(12)
そんな騒ぎは何処吹く風と、ヒカルと和谷は相変わらずケラケラと笑っていた。ヒカルは
セーラー服を前に暫く考え込んでいたが、唐突に、
「オレ、着てみちゃおうかな?」
と、少しはにかむように言った。
「お〜着ろ着ろ!」
和谷も無責任に煽る。
「オマエ、絶対に似合う!身体も小さいし、顔も女みたいだし…うん、着てみろよ!」
「うん!」
ヒカルはTシャツの裾に手をかけると一気に捲り上げた。突然目の前に現れた白い肌と
薄い胸の上に乗っているピンクの突起に、和谷は赤い顔をますます赤くして、目を逸らした。
「オマエ…恥らいってもんはないのかよ〜」
「和谷を相手に何を恥じらうって言うんだよ……」
「それはそうだけどさ……」
「見たくないなら、後ろ向いてよ。」
「情緒ってモンが足りネエよな」とブツブツ言いながら、和谷は素直に後ろを向いた。
暫くしてヒカルが声をかけた。
「いいよ。」
その声に和谷は振り返った。と、同時にヒカルがくるんと回った。スカートがふわりと舞い上がる。
「ジャーン!どう、似合う?」
「スゲー似合う…でもさ…」
と、和谷はちょっと言いにくそうに口籠もる。
「なんだよ?」
「トランクス………」
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