しじま 12
(12)
進藤はボクの頭に手をまわし、ぐっと力をこめた。
そうっと唇が触れる。進藤は目をつむっていた。
まるで教えるように、ゆっくりと舌をからませてくる。
ボクはその舌使いにたまらなく感じて、夢中になって追いかけた。
また進藤が股間に触れてきた。ボクの気持ちとは裏腹に、やっぱりそこは沈黙したままだ。
「……塔矢、おまえができなくても、オレはおまえが好きだからな。セックスだけがすべて
なわけじゃないからな。勃たないからって、オレに恥ずかしく思う必要もないからな」
ここまで言ってくれているのに、ボクの分身はなにをしているんだ。
ずっとこのままだったら……そう考えて身震いする。
「塔矢、あのさ……」
進藤はちょっと迷うように呼びかけてきた。とぎれた言葉の先をボクは待つ。
「おまえ、前に言ったよな。オレになら、抱かれてもいいって」
「ああ、言った」
「今でもそれは変わらない?」
ボクは進藤がなにを考えているかわかった。だから即座に「変わらない」と答えた。
「オレさ、まえは思わなかったけど、今はおまえを抱きたいって思う」
言うなり進藤が身体を入れかえてきた。ボクは進藤を見上げた。
「……いいか?」
「ああ、もちろんだ」
できるだけしっかりした声で言おうとしたけど、やっぱり少しふるえていた。
濡れた軟らかいものを首筋に感じた瞬間、びくんと身体が勝手にはねた。
「良かった、感じてはいるんだ」
進藤は少しはにかみながら、そうささやいた。身体が一気に火照る。
ボタンを一つずつ外され、胸元を開かれる。入ってくる手にどうしても身体がこわばる。
「塔矢も……」
ボクの右手が進藤の胸にみちびかれた。とてもなめらかで温かい肌に手をすべらす。
胸の突起はすでに硬くなりつつあった。それを親指と人差し指ではさむ。
「んっ……とうや……」
ボクの肩口にかかる進藤の息がさらに熱くなった。
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