金魚(仮)(痴漢電車 別バージョン) 12 - 13


(12)
 そんな騒ぎは何処吹く風と、ヒカルと和谷は相変わらずケラケラと笑っていた。ヒカルは
セーラー服を前に暫く考え込んでいたが、唐突に、
「オレ、着てみちゃおうかな?」
と、少しはにかむように言った。
「お〜着ろ着ろ!」
和谷も無責任に煽る。
「オマエ、絶対に似合う!身体も小さいし、顔も女みたいだし…うん、着てみろよ!」
「うん!」
 ヒカルはTシャツの裾に手をかけると一気に捲り上げた。突然目の前に現れた白い肌と
薄い胸の上に乗っているピンクの突起に、和谷は赤い顔をますます赤くして、目を逸らした。
「オマエ…恥らいってもんはないのかよ〜」
「和谷を相手に何を恥じらうって言うんだよ……」
「それはそうだけどさ……」
「見たくないなら、後ろ向いてよ。」
「情緒ってモンが足りネエよな」とブツブツ言いながら、和谷は素直に後ろを向いた。

 暫くしてヒカルが声をかけた。
「いいよ。」
その声に和谷は振り返った。と、同時にヒカルがくるんと回った。スカートがふわりと舞い上がる。
「ジャーン!どう、似合う?」
「スゲー似合う…でもさ…」
と、和谷はちょっと言いにくそうに口籠もる。
「なんだよ?」
「トランクス………」


(13)
 ヒカルが下を見ると、確かにほんの僅かだが、スカートの裾から下着が見えていた。
「あー…」
ヒカルはスカートを持ち上げて、「イケてねえ〜」と頭を掻いた。その頭に、何かがこつんと
ぶつかった。
「それ使えよ。」
和谷が安全ピンを投げたのだ。
「それでパンツの裾折って、止めたらいい…」
「おし!」
 可愛く変身に再挑戦。しかし、スカートを捲り上げ、トランクスを折るその姿は可憐さとか
色っぽさからはほど遠い。
「色っぽくネエ…」
と言う和谷の愚痴をヒカルはワザと無視をした。

 「どうだ?」
トランクスを完全に隠して、ヒカルは再度和谷に訊ねた。膝上丈のニーソックスとミニスカートの
間にある物は白く眩しい太腿だけだ。
「……うん…スゲー可愛い…女の子に見える…」
和谷はうっとりと呟いた。
「ホント?おかしくネエ?」
「全然!」
力一杯頷いた和谷に、ヒカルは「エヘへ」と照れたように笑った。



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