スノウ・ライト 12 - 14


(12)
まつげをふるわせるアキラ王子をオガタはよこしまな思いで見つめます。
2歳から父王に教えられているアキラ王子のテクは、まさに開花しようとしていました。
多くのテク高段者が王子の前に次々と敗れていっているのです。
久しぶりに味わってみるのもいいかもしれない、と思いながらオガタは王子の頬に手を
そえようとしました。ところがそこへ勢いよくアマノが入ってきました。
「王子! ヒカル姫は義母に殺されたという噂が隣国で流れています!」
「何だって!」
ガタッ、と王子は椅子を鳴らしました。
「そんな、そんな、殺された……? つまり、姫はもうこの世にいない……?」
倒れそうになる王子をオガタは支えます。
「アマノ、そんな不確かな情報で王子の心を惑わせないでくれ」
邪魔されたオガタは不機嫌で、思い切りアマノを睨みつけました。
「は、はいっ。申し訳ございません」
ふとオガタは思い出したように言いました。
「そう言えばネットで、とても愛らしい姫が七人の小人の小屋にいるとあるのを見たな」
とたんに王子は血相を変えました。
「なぜ黙っていたのです!」
「表に出てこない者に興味は持てん」
アキラ王子は歯を食いしばりました。そんな王子を見て、オガタは大きく息を吐きました。
「行ってみようか」
するとアキラ王子は顔を輝かせました。
王子はどこまでもヒカル姫しか見ていないのでありました。


(13)
第二部中篇が終了しました。ただいまより食事休憩をもうけます。
ラーメンをはじめ、高級寿司、回転寿司、ハンバーガー、カレーライス、ドーナツ、大福、
カステラ、鯛焼きとメニューは豊富にとりそろえております。
たっぷり時間をとりますので、みなさまゆっくりお召し上がりください。

ベルが鳴りましたら第二部後編が始まりますので、ご着席ください。


(14)
じりりりりりり! ただいまより、第二部後編を上演いたします。


森の小人たちの仲は険悪となっていました。
しかしその原因であるヒカル姫は、そういうことに鈍かったので気にしていません。
このころになると、ヒカル姫と仲の良い者も決まってきました。
一番ヒカル姫が懐いているのはワヤでした。ワヤは研究会や碁会所などのデートスポット
にヒカル姫を誘ったりと、涙ぐましい努力をしたからです。
ヒカル姫もワヤのことはまんざらでもないようです。
他の小人たちは、ヒカル姫は高嶺の花、しょせん自分たちごときでは手が届かないと、
もうほとんどあきらめています。
それどころかリタイアする者までいました。イイジマです。
森の小屋に住んでいた七人の小人は、六人となってしまいました。
しかしそんななか、なんとか気を引こうと、ホンダは再度ヒカル姫に挑戦しました。
が、あっさり振られてしまいました。しかも捨てゼリフまでつけられました。
『オレにはもの足りねェぜ!』
ホンダは潔く負けを認めました。

このように、いろいろと問題はありましたが、とりあえずは平和な毎日を過ごしていた
ヒカル姫ですが――――



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