平安幻想異聞録-異聞- 121 - 122
(121)
座間がゆっくりと、指で中をかきまわす。
「ぅん……」
ヒカルが、鼻にかかった声を小さくもらして、後頭部を座間の肩に押し付ける。
すでにその時、香のせいで夢見心地になっていたヒカルは抵抗することなど
思いつかなくなっていた。
座間が布の上から、ヒカルの両の乳首を交互に、転がすように愛撫する。
速くなったヒカルの呼吸に、かすかな嬌声が混じる。
ヒカルが緩慢な動作で、座間の胸にその身を預けてきた。
体を包み始めた快楽のために、口の中に溜まってしまった唾液を嚥下する、その
白いの喉の動きがなまめかしい。
「完全に、香が効いてきたようじゃのう」
菅原が、ヒカルの単衣の前をはだける。
ヒカルのモノは、その真ん中ですでに半分立ち上がって、受ける快楽に反応していた。
そのさらに奥、秘門には、座間の指が1本刺さって、ゆっくりと中を掻き回している。
布の上からヒカルの乳首を玩んでいた座間の手が、はだけられた単衣の中に入り込み、
今度はヒカルの胸に赤く息づくそれを直接刺激しはじめた。
「…は、……はぁ……はぁん……」
上からも下からも責められて、ヒカルの呼吸の合間にはっきりした喘ぎ声が上がり
はじめる。
秘門の入り口付近を嬲っていた座間の指が、さらに根元まで入り込む。
「欲しがって蠢いておるぞ、この中が」
ぬらぬらと蠕動する腸壁の感触に座間が破顔する。
「いつも、これくらいに素直であればよいものをのう」
その節くれ立った指の関節が、ヒカルの中の急所をかすめた。
ヒカルの口から上がったのは蕩けるような甘い声。それだけではなく、内壁は
さらなる強い刺激を求めて、座間の指の動きを追い、うごめき、締めつけた。
思わずといったようすで閉じようとしたヒカルのその足を菅原が、床に
おさえて動きを封じた。
(122)
ヒカルの足指が座間の指の動きにあわせて、やるせなく開いたり握られたりしている。
自らの腕の中で乱れ始めたヒカルの、その首筋に、座間が噛みつくように、
唇を寄せた。
胸を嬲っていた手で、まだ羽織られていたままの、着物をよけて肩と背中を
むき出しにする。
そのまま、しどけなく単衣を着乱したかっこうのヒカルを背中から抱きかかえる形で、
座間がその若柳のような背筋にそって、舌で愛撫を繰り返す。
そうしながら、ゆっくりヒカルの体を抱えて、うつぶせに押し倒した。
ヒカルの中に入った指は、そのままだ。
座間が、ヒカルの耳元にささやく。
「欲しいか?儂が?」
朦朧とした頭で、何を聞かれているかもわからないままにヒカルは頷いた。
座間は満足げに頷くと、その熱くそそり立った自らの肉鉾を取りだし、ヒカルの体を
深々とつらぬいた。
ヒカルの体はそれを何の抵抗もなく受け入れた。
座間が、ゆったりとした動きで抜き差しをしだす。
奥を突くたびにヒカルが声をあげた。
眉をよせ、それでもせり上がる喜悦を押さえられないと言った風に、
床板にしがみつくように爪を立てた。
座間が中に精を放つ。
ヒカルも同時に果てた。
ぐったりと、まだ単衣を半分羽織ったままの体を床に投げ出す。
その体を半身を起こした座間が引き起こして、抱えた。
熱に火照るヒカルの頬を、その汗ばんだ手で撫でる。
「さて、前座は終わりといったところかな、検非違使殿」
ヒカルは、はっきりしない、霞がかった視界に、菅原がどこからか瀟洒な文箱を
取りだしたのをぼんやりと見ていた。
|