初めての体験 121 - 122


(121)
 その時、突然ドアが開いた。永夏はそちらの方へ目を向けると、手招きをした。ヒカルも
ぼんやりとドアの方を見た。秀英が、躊躇うように近づいてくるのが見えた。
 秀英は、ベッドの上に組み敷かれているヒカルを見て、ゴクリと喉を鳴らした。中途半端に
服を脱がされたその姿は、息を飲むほど色っぽい。上気した肌が、それに艶を添えていた。
 永夏が秀英に何か言った。秀英は頷いて、服を脱ぎ始めた。永夏も再びヒカルを剥きに
かかる。
「秀英…」
ヒカルは、助けを求めるように秀英を見たが、彼は目を逸らして俯いた。
 永夏は、ヒカルを抱えると膝の上に頭を乗せた。そのまま上体を固定し、ヒカルの髪や
喉を優しく擽った。
「あ…はぁ…」
永夏の膝の上で身悶えるヒカルに、恐る恐る秀英が触れた。ヒカルの身体がビクンと
震える。さっきまで永夏に施された愛撫の名残が、まだ身の内に燻っていた。
「や…やぁ…」
ヒカルの反応に気を良くしたのか、秀英は大胆にあちこち弄り始めた。
「あ、あ、あ、やだ、あぁん…」
ヒカルは堪らず、嬌声を上げ始めた。その声に煽られるように、秀英はますます大胆に
なっていく。
「し、進藤…」
興奮し、上擦った声で名前を呼ぶ。何の怖じ気もなく、勃ちあがり始めたヒカル自身を握った。
「ひっあぁ!」
ヒカルは、身体を仰け反らせた。


(122)
 ヒカルが涙を流しながら、快感に身を震わせる。その姿を見て、永夏が耳元で囁いた。
「……?なに…?」
ヒカルが苦しげに眉を寄せた。
「すごく可愛いって…想像していたよりもずっと感度がイイって…」
秀英が代わりに答えた。
 その言葉を聞いた瞬間、カッと血が昇った。
『オマエに可愛いなんて、言われたくねえ!』
ヒカルはキュッと唇を結び、声を噛み殺した。目を閉じ、ジワジワと全身を浸食していくような
愛撫に耐えようとした。
「どうしたんだ?なんで声、出さないの?すごく可愛い声だったのに……」
秀英が焦れたように言う。ヒカルは返事をしなかった。口を開けば、きっと喘ぎ声しか
でない。永夏を喜ばせるような真似はしたくない。
 ヒカルの頭上で、永夏が秀英に何かを告げた。秀英は頷くと、再びヒカルのペニスを
嬲り始めた。
 永夏が何か言う度に、秀英は微妙に手の動きを変化させた。秀英の責めは、ぎこちないながらも的確で、
ヒカルは声を押し殺すのが苦しくなってきた。
 永夏も手触りを楽しむように撫でていたヒカルの首筋から、胸へと手を滑らせた。
「…!!」
秀英の愛撫に呼応するように、永夏もヒカルの胸を優しく揉み始めた。乳輪を軽く擦り、
時折、先端をつつく。
「あ、ハァ…い…いやぁ…イヤァ…」
ヒカルは遂に陥落した。息を吐く間もなく、甘ったるい喘ぎ声が口から溢れ続ける。
「やめてぇ……!」
一際高く叫ぶと、秀英の手の中に放ってしまった。



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