平安幻想異聞録-異聞- 125 - 126


(125)
情欲に満ちた声で、先をねだる。
座間が、ヒカルの耳元にささやいた。
「検非違使ごとき、身分のものが、この座間に願い事をするのに、その態度とは
 のう」
その声にさえ、ヒカルは過敏に感じて、首筋から耳の後ろの部分までに鳥肌が立つ。
「きちんと、目上のものに対する物乞いの仕方があろう?うん?」
「お願い…します。座間様、お願いですから…オレの、中に……」
「中に?」
「下さい」
「ふん、まぁよいわ」
座間が、腰の動きを再開した。それをヒカルは、貪欲にさらに自分の体の奥に
引っ張り込むように、秘門の肉でしごき、食む。
「あっん、もっと……もっと、奥まで……!お願い……!」
「まだ足りぬのか、浅ましいことよのう」
「あ、あぁっ!あぁっ!はん!」
「薬を盛られて、さらに中の味が増したのう。ふぅ……ふぅ…、たいした締めつけ
 具合よ。どれ、ここはどうじゃ」
「いやっっ!あぁぁ!」
「ふ、ふは……はぁ…、どうじゃ、どうじゃ、まだ、まいらぬか?」
「やんっ!あん!あっ、あっ!」
座間がヒカルの腰を押さえて、最奥を大きく抉った。
そしてヒカルの体の奥に、自分の熱い体液を放出する。
とどめをさされて、ヒカルのからだが震えた。自らも、その幼いモノの先端から、
白い液をこぼし、陰茎のまわりの、まだ煙るように薄くしかない茂みを濡らした。
与えられた快楽に蕩けて、ヒカルの体は座間の胸のもたれかかって、くにゃりと
なった。
座間は、そのヒカルの秘門から、名残おしそうに自身の秘刀を引き抜く。
ヒカルのそこは、太いモノが引き抜かれてしまったのが物足りないとでもいうかの
ように、ヒクヒクと動いた。
その感触を座間が、自身の陽根の先端に感じ取ってほくそえんだ。
「まだ、この程度では足りないであろう? 検非違使殿よ。スズメバチの幼虫と
 マムシの血、ケシの実をすりつぶし練り合わせて、特別に作らせた秘薬じゃから
 のう」
それが聞こえたのか聞こえていないのか、ヒカルは、ぼんやりとした表情で瞳を
潤ませ、呼吸を早くしたまま座間の腕に身を預けている。


(126)
ヒカルの足の感触を貪っていた菅原が身を起こし、手を延ばして、まだヒカルの腰の
あたりに引っ掛かるようにして残っていた単衣をはぎ取った。達したばかりだと
いうのに、ヒカルの中心は、早くもふたたび頭をもたげている。
座間がヒカルの腕の下に手を入れて抱き上げ、床板の上に横たえた。
「満足させてやれ」
「御意に」
菅原が、指貫の腰帯を降ろし、天を突くようにいきり立つ自分の肉槍を取りだす。
ヒカルの股を大きく広げさせ、菅原は、その奥の場所に熱くたぎる槍を突き刺した。
「ひ、ひぃん…!
それさえ、ヒカルのそこは、嬉々として受け入れた。
「ひ、ひ、ひぁ、あ…」
菅原に抱えられた足がひきつって泡立つ。菅原のたぎるものが奥まで入り込み、
壁をこすりながら引き抜かれる動きに、ヒカルがそれを惜しんで、自分を快楽に導く
熱いそれを逃がすまいと食い締める。
それどころか、ヒカルはついに菅原の腰に、自分の足をからめて、挟み込んでさえ
いた。
「おぉ、興が乗ってきたのう」
座間がそれを見て、自分はヒカルの頭の方にまわり、その上半身に覆いかぶさるように
して、舌で鎖骨や胸、胸に飾られた薄紅の突起を玩び始めた。
その間にも、内蔵を食い破るかの勢いで奥を刺し貫く菅原の動きに、ヒカルは高い
声を上げて応える。
華奢な体が二人の男に同時に蹂躙されるその様は、まるで牙をもつ獣に無慈悲に
食い千切られる子鹿を思わせた。
小鹿の足が快楽に震える。
「これこれ、締めつけすぎじゃ。これでは、中で動くことも出来んではないか」
荒い息を吐きながら、苦しげに菅原が言う。
「もう少し力を緩めなければ、イカせてやることもできんぞい」
「できない、できないよぅ……っ」
ヒカルは睫毛を涙の露に濡らしながら、頭を小さく左右に振って応える。
意識してやっているわけではないのだ。だから、やめることも出来よう
はずがない。



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