平安幻想異聞録-異聞- 125 - 129
(125)
情欲に満ちた声で、先をねだる。
座間が、ヒカルの耳元にささやいた。
「検非違使ごとき、身分のものが、この座間に願い事をするのに、その態度とは
のう」
その声にさえ、ヒカルは過敏に感じて、首筋から耳の後ろの部分までに鳥肌が立つ。
「きちんと、目上のものに対する物乞いの仕方があろう?うん?」
「お願い…します。座間様、お願いですから…オレの、中に……」
「中に?」
「下さい」
「ふん、まぁよいわ」
座間が、腰の動きを再開した。それをヒカルは、貪欲にさらに自分の体の奥に
引っ張り込むように、秘門の肉でしごき、食む。
「あっん、もっと……もっと、奥まで……!お願い……!」
「まだ足りぬのか、浅ましいことよのう」
「あ、あぁっ!あぁっ!はん!」
「薬を盛られて、さらに中の味が増したのう。ふぅ……ふぅ…、たいした締めつけ
具合よ。どれ、ここはどうじゃ」
「いやっっ!あぁぁ!」
「ふ、ふは……はぁ…、どうじゃ、どうじゃ、まだ、まいらぬか?」
「やんっ!あん!あっ、あっ!」
座間がヒカルの腰を押さえて、最奥を大きく抉った。
そしてヒカルの体の奥に、自分の熱い体液を放出する。
とどめをさされて、ヒカルのからだが震えた。自らも、その幼いモノの先端から、
白い液をこぼし、陰茎のまわりの、まだ煙るように薄くしかない茂みを濡らした。
与えられた快楽に蕩けて、ヒカルの体は座間の胸のもたれかかって、くにゃりと
なった。
座間は、そのヒカルの秘門から、名残おしそうに自身の秘刀を引き抜く。
ヒカルのそこは、太いモノが引き抜かれてしまったのが物足りないとでもいうかの
ように、ヒクヒクと動いた。
その感触を座間が、自身の陽根の先端に感じ取ってほくそえんだ。
「まだ、この程度では足りないであろう? 検非違使殿よ。スズメバチの幼虫と
マムシの血、ケシの実をすりつぶし練り合わせて、特別に作らせた秘薬じゃから
のう」
それが聞こえたのか聞こえていないのか、ヒカルは、ぼんやりとした表情で瞳を
潤ませ、呼吸を早くしたまま座間の腕に身を預けている。
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ヒカルの足の感触を貪っていた菅原が身を起こし、手を延ばして、まだヒカルの腰の
あたりに引っ掛かるようにして残っていた単衣をはぎ取った。達したばかりだと
いうのに、ヒカルの中心は、早くもふたたび頭をもたげている。
座間がヒカルの腕の下に手を入れて抱き上げ、床板の上に横たえた。
「満足させてやれ」
「御意に」
菅原が、指貫の腰帯を降ろし、天を突くようにいきり立つ自分の肉槍を取りだす。
ヒカルの股を大きく広げさせ、菅原は、その奥の場所に熱くたぎる槍を突き刺した。
「ひ、ひぃん…!
それさえ、ヒカルのそこは、嬉々として受け入れた。
「ひ、ひ、ひぁ、あ…」
菅原に抱えられた足がひきつって泡立つ。菅原のたぎるものが奥まで入り込み、
壁をこすりながら引き抜かれる動きに、ヒカルがそれを惜しんで、自分を快楽に導く
熱いそれを逃がすまいと食い締める。
それどころか、ヒカルはついに菅原の腰に、自分の足をからめて、挟み込んでさえ
いた。
「おぉ、興が乗ってきたのう」
座間がそれを見て、自分はヒカルの頭の方にまわり、その上半身に覆いかぶさるように
して、舌で鎖骨や胸、胸に飾られた薄紅の突起を玩び始めた。
その間にも、内蔵を食い破るかの勢いで奥を刺し貫く菅原の動きに、ヒカルは高い
声を上げて応える。
華奢な体が二人の男に同時に蹂躙されるその様は、まるで牙をもつ獣に無慈悲に
食い千切られる子鹿を思わせた。
小鹿の足が快楽に震える。
「これこれ、締めつけすぎじゃ。これでは、中で動くことも出来んではないか」
荒い息を吐きながら、苦しげに菅原が言う。
「もう少し力を緩めなければ、イカせてやることもできんぞい」
「できない、できないよぅ……っ」
ヒカルは睫毛を涙の露に濡らしながら、頭を小さく左右に振って応える。
意識してやっているわけではないのだ。だから、やめることも出来よう
はずがない。
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いっこうに緩まない、ヒカルの秘口のしめつけにしびれを切らし、
菅原は力任せに、きつく締めつける狭い肉径を両に割くように動き始めた。
ヒカルの喘ぎ声がさらに高く切なげなものになる。
鳴きながらも、穿たれる熱い楔を奥へ奥へと導き入れるように銜え込む体奥へ、
菅原が強引に割り入り、その引き込むような強い力に逆らって引き抜く。
その高さのある亀頭は引き抜くときは、ちょうど釣り針の「返し」のように働いて
ヒカルの中のいい場所を、そとに掻き出すように躙するのだ。
締めつけの強さの分、ヒカルは自分で抉られる強さを増幅しているようなものだった。
だから、菅原が引き抜く動きに合わせて、喘ぎ声が上がる。
「あーっ、あぁーっ!あっっ!」
そのヒカルの腰は、その快楽を逃がすまいと、無意識に揺れはじめていた。
「はじめから、これほど素直であればのう。どうじゃ、顕忠、この腰の使い具合、
ともすれば我らの方が食われかねんではないか」
ヒカルの上体を支配する座間が、ヒカルの肩口に、柔らかの腕の内側に、吸った痕を
赤く散らしながら言う。
「まこと……ハァ、ハァ…。しかし、座間様…。犬でも馬でも鳥でも……ウン…
…野のものを慣らすのは過程が趣深いと申しますゆえ……ン……この者がはなから、
我らの言いなりであったら興ざめでございましょう」
下肢を支配する菅原も、そういいながら、責める手をゆるめない。
菅原が腰を深く強く突き入れるたび、ヒカルは肢体の奥底から込み上げてくる
甘美な感覚に負けて、ほんの僅かに残った思考は敗北感に苛まされながらも、
淫靡な声をあげるのを止められない。
口を閉じることが出来ない。
「あ……、あっん、あ……あぁ……っ」
その愛らしい蜜のような嬌声を紡ぐ赤い唇を、座間がなでるように指でたどった。
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「ほんにのう。鳴かぬ鳥をいかように鳴かすかも、心躍るものじゃわい」
喜悦に耐えきれず、こぼれ始めた涙が、ヒカルの艶に染まった目じりから、
ポロポロと美しい玻璃の玉が転がるように幾粒も滑り落ちた。
それを、座間はぬぐいとると、おもむろに、屹立して後は
解放を求めるばかりになっている少年の若い男根に伸ばした。
「はぁ、あぁっ!」
張りつめた前を撫でさすられて、ヒカルが感極まった声をあげる。
ここぞとばかりに、菅原が、抜き差しの緩急を激しくする。
奥まで差し込んだそれを強引に大きく回されて、ヒカルがはげしくかぶりを
振りながら甘く悶えた。
「あんっ、やぁぁ、あぁぁぁっっ!いぃぃっ!」
座間がヒカルの吐きだした白い蜜液を手に受け止める。
ヒカルの中にもドロドロした熱いものが放たれた。
それを受け止めて、ヒカルのからだが弛緩する。
菅原が、萎えてしまった自分のモノを、ズルリとヒカルの中から引き抜いて、
懐紙でぬぐった。
だが、ヒカルの上半身をいじっていた座間はまだ終わっていない。
菅原が責める間に、屹立してきた剛直は、手を近付けるだけで、その熱さが
わかるほどに火照っていた。
座間が、仰向けに横たわるヒカルのなだらかな肩から首筋を愛おしげになでた。
熱のさめやらぬ紅潮した顔で、ヒカルはその愛撫を受け止めた。
快楽にに酔って、瞳はトロンとどこか中空を見ている。
「さて、検非違使殿。儂は夕刻、四日分を啼いてもらうというたが、まだ少し
四日分には足りんのう」
「座間様、女房にいいつけて、香を再び持ってこさせましょうか?」
最初にこの部屋で焚かれていた香は、いつのまにか燃え尽きて消えていた。
「その必要はあるまいよ」
座間は、ヒカルを上体だけ抱えおこすようにすると、その肩の上から腕をまわし、
ヒカルの太ももを掴むようにして開かせた。ヒカルはわずかに逆らったが、
座間がそのうなじの髪の生え際を吸うと、溜め息をつきながら座間の言いなりに
なった。
「意地を張る様もなかなか赴きがあるが、こう素直なのもよいのう。佐為殿がそばに
置きたがるのもわかるわ」
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座間が、ヒカルの吐きだしたものでぬめる手の平で、若竹の肌のようにも似た
滑らかさの若い太ももを撫でる。そこが白いもので薄く汚された。
さらにそのほの暗い内股に座間は手を這わせ、奥へと侵入し、その場所に指を
差し入れてさぐった。
ヒカルの指先がピクリと反応し、「アァ…」と小さくすすり泣くような声が
漏れた。
中の壁は、まだ燃えるように熱かった。
「新しく香をたかんでも、まだじゅうぶんに熱が残っておるようじゃ」
座間はあらためてヒカルを床の上に横たえる。その足を両肩に抱え上げ、
その鈴口で、数回、入り口を押したあと、一気に根元まで押し入れた。
いきなり最奥まで来られて、ヒカルが感じ入ったような喘ぎ声をあげた。
首が反り返って、自身を蹂躙する獣の前に、のど笛が無防備にさらされる。
「このあで姿、佐為の奴にも見せてやりたいものよ」
そうして、再びヒカルは快楽に追い上げられ始める。
熱い沼の淵に追いつめられる。
今日、この日まで、ヒカルはこれほど深い快感を知らなかった。
自分自身を失うほどの、それは歓喜だった。
体中の神経が剥き出しにされていくような触感。
「あぁ、あん、もう、もう、やだぁ…ん…」
座間はヒカルが先に達してしまわないように、その男根の根元を押さえていた。
ヒカルはその厚みのある壮年の男の体を、肩に抱え上げられた足で、
挟み込むようにしている。
腕は、あれほど嫌っていた座間の頭を抱えるようにして自分の方に寄せていた。
しかし、過ぎた快楽は、時には苦痛でさえあるのかもしれない。
「やめて、あ…お願い…もう……ぁんん!ん!んん!」
座間が腰の動きを早めた。
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