平安幻想異聞録-異聞- 127 - 128
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いっこうに緩まない、ヒカルの秘口のしめつけにしびれを切らし、
菅原は力任せに、きつく締めつける狭い肉径を両に割くように動き始めた。
ヒカルの喘ぎ声がさらに高く切なげなものになる。
鳴きながらも、穿たれる熱い楔を奥へ奥へと導き入れるように銜え込む体奥へ、
菅原が強引に割り入り、その引き込むような強い力に逆らって引き抜く。
その高さのある亀頭は引き抜くときは、ちょうど釣り針の「返し」のように働いて
ヒカルの中のいい場所を、そとに掻き出すように躙するのだ。
締めつけの強さの分、ヒカルは自分で抉られる強さを増幅しているようなものだった。
だから、菅原が引き抜く動きに合わせて、喘ぎ声が上がる。
「あーっ、あぁーっ!あっっ!」
そのヒカルの腰は、その快楽を逃がすまいと、無意識に揺れはじめていた。
「はじめから、これほど素直であればのう。どうじゃ、顕忠、この腰の使い具合、
ともすれば我らの方が食われかねんではないか」
ヒカルの上体を支配する座間が、ヒカルの肩口に、柔らかの腕の内側に、吸った痕を
赤く散らしながら言う。
「まこと……ハァ、ハァ…。しかし、座間様…。犬でも馬でも鳥でも……ウン…
…野のものを慣らすのは過程が趣深いと申しますゆえ……ン……この者がはなから、
我らの言いなりであったら興ざめでございましょう」
下肢を支配する菅原も、そういいながら、責める手をゆるめない。
菅原が腰を深く強く突き入れるたび、ヒカルは肢体の奥底から込み上げてくる
甘美な感覚に負けて、ほんの僅かに残った思考は敗北感に苛まされながらも、
淫靡な声をあげるのを止められない。
口を閉じることが出来ない。
「あ……、あっん、あ……あぁ……っ」
その愛らしい蜜のような嬌声を紡ぐ赤い唇を、座間がなでるように指でたどった。
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「ほんにのう。鳴かぬ鳥をいかように鳴かすかも、心躍るものじゃわい」
喜悦に耐えきれず、こぼれ始めた涙が、ヒカルの艶に染まった目じりから、
ポロポロと美しい玻璃の玉が転がるように幾粒も滑り落ちた。
それを、座間はぬぐいとると、おもむろに、屹立して後は
解放を求めるばかりになっている少年の若い男根に伸ばした。
「はぁ、あぁっ!」
張りつめた前を撫でさすられて、ヒカルが感極まった声をあげる。
ここぞとばかりに、菅原が、抜き差しの緩急を激しくする。
奥まで差し込んだそれを強引に大きく回されて、ヒカルがはげしくかぶりを
振りながら甘く悶えた。
「あんっ、やぁぁ、あぁぁぁっっ!いぃぃっ!」
座間がヒカルの吐きだした白い蜜液を手に受け止める。
ヒカルの中にもドロドロした熱いものが放たれた。
それを受け止めて、ヒカルのからだが弛緩する。
菅原が、萎えてしまった自分のモノを、ズルリとヒカルの中から引き抜いて、
懐紙でぬぐった。
だが、ヒカルの上半身をいじっていた座間はまだ終わっていない。
菅原が責める間に、屹立してきた剛直は、手を近付けるだけで、その熱さが
わかるほどに火照っていた。
座間が、仰向けに横たわるヒカルのなだらかな肩から首筋を愛おしげになでた。
熱のさめやらぬ紅潮した顔で、ヒカルはその愛撫を受け止めた。
快楽にに酔って、瞳はトロンとどこか中空を見ている。
「さて、検非違使殿。儂は夕刻、四日分を啼いてもらうというたが、まだ少し
四日分には足りんのう」
「座間様、女房にいいつけて、香を再び持ってこさせましょうか?」
最初にこの部屋で焚かれていた香は、いつのまにか燃え尽きて消えていた。
「その必要はあるまいよ」
座間は、ヒカルを上体だけ抱えおこすようにすると、その肩の上から腕をまわし、
ヒカルの太ももを掴むようにして開かせた。ヒカルはわずかに逆らったが、
座間がそのうなじの髪の生え際を吸うと、溜め息をつきながら座間の言いなりに
なった。
「意地を張る様もなかなか赴きがあるが、こう素直なのもよいのう。佐為殿がそばに
置きたがるのもわかるわ」
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