初めての体験 127 - 130
(127)
永夏は、ヒカルの中に再び自分を埋めると、華奢な背中に浴びせかけたモノを全身に
塗りたくり始めた。
「ヤダ、やめて、やめてぇぇ…!」
ヒカルは、声を限りに叫んだ。
『こんなのヤダ!』
永夏は、やめてくれない。まるで、ヒカルが自分の所有物であるかの様だ。
―――――マーキングされてるみたいだ……オレは、オマエのもんじゃねえ!
そう言いたかった。……が、それはできなかった。
永夏とヒカルの痴態に興奮した秀英が、ヒカルの口元にペニスを押しつけてきたのだ。
「…進藤…ゴメン…ボクの舐めて…」
上擦った声で懇願する秀英から、顔を背けようとした。だが、後ろから、永夏に顎を掴まれ、
無理矢理口を開けさせられる。すかさず、秀英の熱い昂ぶりが、押し込まれた。
「!!うぅ…!」
秀英は、ヒカルの頭を抱え込み、闇雲に腰を押しつけた。後ろからは、永夏が容赦なく
串刺しにした。
苦しくて息ができない。涙が止まらなかった。早く解放して欲しい。
「ああ、イクよ…!」
喉の奥に、熱いモノが叩き付けられ、青臭い味が口いっぱいに広がっていく。秀英は、
糸を引くペニスをヒカルの口から引き抜いた。ヒカルは、咽せた。口の中のモノをはき出そうと
激しく咳き込んだ。
しかし、そんなヒカルを労ることもせず、永夏は、思い切りヒカルを突き上げた。
「あ、あ、あぁ、あ――――」
永夏の熱を感じたその瞬間、ヒカルの意識は遠のいた。
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気がついたとき、ヒカルは、ベッドで永夏と秀英に抱かれて眠っていた。
『何で、コイツらと川の字に寝てるんだよ…』
ぼんやりとした頭で考えた。そして、「あっ!」と、小さく声を上げると、慌てて起きあがり、
自分の身体の匂い嗅いだ。永夏に精液を塗り込まれたのを思い出したのだ。あの独特の
匂いはしない。代わりに甘い花の香りがした。
「起きたの?進藤…」
秀英が目を擦りながら、起きあがった。
「オレ…風呂に入ったっけ…?」
「覚えてないの?」
そう問い返されて、ヒカルは、飛んでる記憶を慎重にたぐり寄せようとした。目を閉じて、
一から順番に辿っていく。だんだんと、思い出してきた。
半分気を失ったヒカルを永夏は抱き上げて、浴室に連れて行ってくれた。狭いユニットバスで
秀英に身体を支えられながら、永夏に身体を洗われた。ボディーソープを泡立てた掌で、
身体中を擦られた。
「あ…いや…」
永夏の指先が、胸の先端に触れた。思わず漏れたその声に、永夏の口元が微かに上がった。
大胆に突起を摘み、捩り上げた。
「ひっ」
仰け反った身体を秀英が抱き留めた。永夏の指は、傍若無人にヒカルの肌を滑って行く。
ガクガクと震える足の間に、指を埋め込まれた。
「あっ!ヤダ!」
「―――――」
永夏が、ヒカルにはわからない言葉で何かを告げる。
「中のモノを出すんだって…」
後ろから、秀英が通訳した。冗談じゃない!そんなこと自分でできる。身体を捩ろうと
藻掻いたが、力が入らない。
指が蠢く。
「くぅ…あぁん…」
中を掻き回されて、ヒカルは身体を硬直させた。
「あ………」
今度こそ、ヒカルは完全に気を失ってしまった。
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怒りと羞恥で頭に血が上った。すべて思い出してしまった。大ッ嫌いな永夏に抱かれてしまった。
その、ことの元凶は……。
「秀英のバカ!なんで、永夏なんか連れてくるんだよ!」
せっかく、二人で楽しもうと思ったのに……。秀英は、ヒカルの剣幕に押されながらも
説明した。
「ご、ごめん…自信がなかったから…」
「自信?自信って何だよ?」
「進藤を満足させる自信だよ…」
秀英は、恥ずかしそうに俯いた。ハァ?何を言っているんだ?
「最初は、永夏にやり方だけ教えてもらうつもりだったんだ…でも…」
秀英の言い分はこうだった。永夏曰く、ヒカルは可愛いから、ほかのヤツが放っておかない。
きっと、いろいろ経験済みだ。うまくやらないと嫌われる。
純情な秀英は青くなった。経験不足の自分では、きっとヒカルは満足しない。嫌われて、
口も聞いてもらえなくなるかもしれない。
「それで、永夏が手伝ってくれるって…」
ヒカルは、絶句した。なんて狡猾なヤツなんだ……!チェリーボーイの不安を利用するとは…
でも、やっぱり…一番、腹が立つのは……
「秀英のバカ!」
ヒカルは、手を振り上げて秀英を引っぱたこうとした。
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そのとき、後ろからやんわりと腕を掴まれた。そのまま、引き倒され、永夏の腕の中に
抱き込まれた。
「わ!なにすんだ!」
ヒカルが「離せ」と藻掻けば藻掻くほど、ますます腕に力を込める。くすくすと笑いながら
ヒカルの鼻先にキスをした。永夏の手が、ヒカルの身体を無遠慮に這い始める。
永夏は、日本語で「カワイイ」と繰り返した。
ヒカルがいくら抵抗しても、永夏は軽く去なしてしまう。全く歯が立たなかった。
「う………うぅ…うぇぇ…」
ヒカルは本気で泣き出してしまった。
永夏も、さすがに驚いて手を離す。ヒカルは、するりと永夏の腕の中から逃れると、
床に散らばったままの服を拾い集めた。ヒックヒックとしゃくり上げながら、一枚ずつ服を身につける。
最後にネクタイを拾い上げると、ポケットにねじ込んだ。ヒカルは、ネクタイが結べないのだ。
「進藤…」
秀英が心配をそうに声をかける。ヒカルは、キッと二人を睨み付けた。それから、
「オマエらなんか大ッ嫌いだ!」
と、一声そう叫び、泣きながら部屋を出て行った。
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