sai包囲網・中一の夏編 13


(13)
「どんな人間もね、痛みより快感に弱いそうだよ。試してみる?」
「試すって、何を」
「キミが、ボクなしではいられないように、キミに抱かれる快感を教え
てあげるよ」
 そうすれば、キミは何でもボクの言うとおりにするしかないだろう?
 一瞬、呆気に取られていた進藤だったけれど、意味だけは通じたのか、
「バッ、バカ!オ、オレは男だぞ!?」
 羞恥で真っ赤になりながらも、お決まりの文句を返して来る。
「男同士で、そんなことができたら、おまえ、変態だからな!」
「安心していいよ。ボクもまだやったことはないから」
 にっこりと下から微笑んで、進藤の頬に手を伸ばす。思った以上に柔
らかい感触。そのまま唇にも触れ、肩先から胸元に指を落とした途端、
進藤は暴れ出した。
「触るんな、バカ野郎!」
「うるさいよ」
 ボクを罵倒する口を塞ごうと、唇を合わせ、進藤の意識がそちらに向
いた隙に、片手でハーフパンツのボタンを外し、ファスナーを下ろす。
ぎょっとしたように見開らかれた大きな目。そのまま引きずり下ろした
パンツとスパッツに、片方だけ靴下も脱げ、何も身につけていない素足
が現れた。進藤は、足の指も小さく柔らかそうだった。
 足の甲を掌で包み込むように撫で、指で足の裏を探る。身体を動かす
のが得意そうな進藤らしいしっかりとした土踏まず。指の間を指先でな
ぞっても、進藤は表情を固めたまま動かない。
 ボクは迷わず、その細くて小さな親指を口に含んだ。
「ひっ!」
 思わなかった感触に、引かれそうになった足首をもう一度捕まえて、
指とその間を舐める。その度にびくっびくっと動く進藤の反応が楽しく
て、何度もそれを繰り返した。



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