誕生歌はジャイアン・リサイタルで(仮題) 13


(13)
ヒカルが碁会所の外に出ると、もう夕日が沈み始めていた。
「今日は変な1日だったな…でも、佐為に会えたから、いいか…」
「何がいいんだよ?進藤」
後ろからヒカルに声をかけて来たのは、スーツ姿の越智だった。
「わっ!な、なんだー越智かよ、ビックリさせるなよー」
「勝手にビックリしてるのはそっちだろ」
「それより何?その格好…何処か行ってきたのか?」
「ああ、この近くで指導碁があってその帰り。進藤は…どうせ遊んでたんだろ?」
遊んでたわけじゃねー!と小一時間抗議したかったヒカルだが、何と説明すれば良いのかわからず、
不機嫌に口をつぐんだ。そんなヒカルに、越智がさも今気付いたかのような顔で話しかける。
「ところで、今日は進藤の誕生日じゃなかったっけ?」
「え?越智、覚えててくれたんだ?」
「フン、履歴書に書いてあったのを思い出しただけだよ」
照れたように眼鏡をいじる越智を、ヒカルは笑いながら見下ろした。
「じゃあ、夕飯奢ってくれよ!な、越智、お前お金持ちだし、いいだろ?」
「フーン、別に構わないけど…何食べるんだ?」
「勿論、ラーメンに決まってるじゃん!」
並んで歩くヒカルと越智の影が、夕日に照らされて延びていた。

その頃、ヒカルの家では、ケーキと花火セットを持ったあかりと祖父母、そして
ペットボトルを持った和谷と消防士の格好をした伊角がドアチャイムを押していた。

<おわり>



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