少年サイダー、夏カシム 13


(13)
「うあああぁっ!!」
和谷の早急な突然の行為に、ヒカルは大声をあげてしまった。
その声に驚いた和谷は、ヒカルの口を塞ごうとした。
だがヒカルの中のしっとりとして温かく、絡み付いてくるような柔軟なその感触に、和谷は夢中になり、ヒカルの母親の存在などどうでも良くなった。
和谷は一心不乱にヒカルを攻めたて、時々下腹部や乳首に指を這わせたり、背中をツーッと舌先で舐め回したりした。
その度にヒカルは反応し、声を上げてぎゅっと和谷自身を締め付ける。
ヒカルも自然と和谷に合わせて腰を振り始めた。
ヒカルはもうどうでも良かった。母親のことも頭痛のことも和谷への怒りも。ただ今はこの快楽に溺れるしかない。抵抗なんて無駄だ。諦めるしかない。ただそれだけだった。 
そんなヒカルの悲しみなどに気付くことなく、和谷は激しく攻めたて、ヒカルの体を後ろから息もできないくらい強くきつく抱きしめた。
ヒカルは酸素不足のせいか、頭痛も下半身のズンと重い痛みも快感も何も感じなくなってきた。そして体内に何か熱いものが流れ込んでくるのを感じると、それを最後に気を失った。
だが和谷はそれにも関わらず、自らの心のままにその行為を続けようとする。
暴走した機関車を止めるには、燃料が尽きて止まるのをただ待つしかない。
和谷は精も根も尽き果てるまで、その行為を延々と続けた。



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