しじま 13
(13)
お互い、相手の身体を愛撫しながら全裸になっていく。
こんなにたくさん進藤に身体を触ってもらうのは初めてだ。
とても気持ちがいい。
進藤は枕元に置いてあったオイルのびんに手をのばした。それからボクの膝をたてさせる。
中央に鎮座するそれは、まだ動くそぶりを見せない。
でも、かまわない。もしボクのそれが勃ちあがれば、きっと進藤はボクを抱こうとするのを
やめてしまうだろうから。
そう考えてボクは気付く。ボクは進藤に抱かれたいんだ。
花の香りがした。進藤は手のひらにたらしたそれを、ボクの……周りに、塗りはじめた。
「進藤、ちょっと待て! 灯りを消してくれ」
「ヤダ。おまえの顔見ながらしたいし、おまえにもオレを見てもらいたいもん」
にべもなく却下されてしまった。
「うわっ」
指が一本、なかに入ってくるのがわかった。
「ちょっと待て!」
「今度は何だよ」
うんざりしたように聞いてくる。ひるみそうになるけど、ここで引き下がれない。
「そこは洗っていないんだ」
「だから?」
「風呂に入らせてくれ」
そう言った瞬間、なかにいた進藤の指がぐるりと輪を描いた。
う、気持ち悪い。けど今はそれどころじゃない。
「指に、その、ついたら嫌だろう?」
「別にイヤじゃないけど」
「ボクは嫌だ」
「おまえ、オレのがついても、いつも気にしないじゃないか」
「それとこれとは別だ!」
勝手なやつ、と進藤は肩をすくめて指を抜いた。
だけど安堵する間もなく、進藤がそこに顔をうずめた。
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