初めての体験 13
(13)
「マスターありがとう!」
ヒカルがマスターの首に飛びついた。マスターは少し狼狽えた。ヒカルがしがみついて
来る前に見せた表情が妙に色っぽく、いつものヒカルとは、まるで違って見えたからだ。
マスターは、気のせいだと思った。しがみついてはしゃぐヒカルは、いつもにもまして
子供っぽい。
その時、ヒカルが呟いた。
「オレ・・・ホントは・・・強い奴がいいんだけど・・・マスターならまぁいいか・・・」
マスターには、ヒカルの呟きがよく聞こえなかった。「何?」と聞き返そうとした時、
ヒカルの唇が、マスターのそれを塞いだ。深く舌を差し込んでくる。マスターは、
ヒカルを押しのけようとしたが、出来なかった。ヒカルのキスは余りにも刺激的で、
マスターはその快感にうち勝つことが出来なかった。
ヒカルがマスターから離れた。その唇が動いた。
「マスター・・・オレのこと好きにしていいよ・・・」
今、サロンの中には、ヒカルとマスターの二人しかいない。心は決まった。
マスターは入り口の鍵を閉め、カーテンを引いた。その様子をヒカルはクスクスと
笑って眺めていた。
マスターの目の前で、ヒカルは服を全部脱いだ。マスターはヒカルに見とれた。
少年らしいすんなりと伸びた手足、やや細すぎるが、しなやかな体。
マスターはヒカルの体にそっと触れた。
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