社妄想(仮) 13


(13)
浅く息を吐いているヒカルの頭上から社の言葉が降ってくる。
「進藤って、もしかしてあんまり経験ないんか?」
ヒカルは一度唾を飲み込んで、軽く息を整えた。
「そんなこと、お前には関係無いだろ」
「そりゃ、そうなんやねんけど。なんや意外やったな」
「……何が」
問答を続けるのが馬鹿馬鹿しいと思わないでもなかったが、どうせ会話が途切れても、
ロクでもない事をされるに決まっているのだ。
ならばまだ時間稼ぎをする方がマシだと思いながらヒカルは社の話の先を促した。
「オレでさえあれだけ引く手数多(あまた)やってんから、こんな可愛い顔してるんやったら
さぞかし大変やろーなて思てんけど……」
「引く手数多、って……」
「ん? 碁会所とか行けへんの、自分?」
「行く事は行くけど、それとこれと、どう繋がるんだよ!」
ヒカルは、妙に苛立っていた。
社の言っている事が徐々に理解されてきて、初めて湧き出た戸惑い。
そして、そんな事あるわけない、きっと自分の思い違いで社の話の先がそれを否定するはずだという願い。
その二つの思いがヒカルの中で交錯していた。
だが、後者の願いは後に続く社の言葉であっさり断ち切られた。
「…… ……。東京のオッサンらて、随分淡白なんか、もしくは紳士やねんな。オレなんか
行ったその日に輪姦(マワ)されたっちゅうのに」



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