sai包囲網 13 - 15
(13)
「塔矢、やめて、塔矢・・・」
半分涙声になりながら、ヒカルは弱々しく身体を捩る。
ヒカルのジーパンも下着もとうの昔に傍らに投げ出され、明るい日差
しの下、日焼けをしていない真っ白な下肢が晒け出されている。
塔矢、塔矢と、自分を呼ぶ声さえ甘く感じて、アキラはすっかり形の
変わったヒカルを手で捏ねるように擦りながら、先の割れた部分を舌先
でちろちろと嘗めて刺激する。
余裕のあるアキラに対して、ヒカルは既に上半身は解放されているに
も関わらず、ぎゅっと握り締めた手で目元を隠すようにして、与えられ
る快感とも苦痛とも言えない感覚に、唇から零れそうになる声を抑える
のが精一杯だ。
それが気に入らなかったのか、アキラは身体を伸び上がらせて、ぷっ
くりと立ち上がった胸の蕾の片方に噛みついた。
「いたっ!」
「ずいぶん気持ちが良さそうじゃないか、進藤」
「そ、そんなことねぇよ」
「でも、これだけじゃ、君から聞き出すのは無理みたいだね」
ヒカルが零した白い液体を手の甲で拭ったアキラが、細くてしなやか
な二本の脚をMの字に折り曲げ、その奥にある内臓へと続く入り口を目
の前に晒させた。色の薄いそこを指の腹で触れると、びくんとソックス
を履いたままのヒカルの足が跳ねた。
「やめろ、塔矢!そんなとこ、触るなっ!」
腹筋を使って起き上がろうとするヒカルの声を無視して、太股の内側
を撫でながら触れている指を増やす。
「ちゃんと馴らさないと、痛いのは君だよ」
「な、馴らすって?」
「ここに、入れるから」
「入れるって、何を!?」
(14)
ヒカルが知る限りの知識では、そこは一方通行のはずだ。
「最初は指かな、それから、僕のこれをね」
アキラが指さすところは、パンツの上からでも分かるほど大きく膨ら
んで見えた。
「そんなもの入るわけないだろー!?」
「入るよ」
あっさり言われて、ヒカルは二の句が継げない。自分のそこをじっく
り見たことがあるわけではないが、物理的に考えても入るわけがない。
例え入ったとしても、ものすごく痛そうだ。その瞬間を想像したヒカル
の薄く上気していた頬がすうっと青ざめた。
「嫌?」
「嫌だよ!」
「なら、本当のことを話す?」
「は、話すことなんて、ねぇよ」
精一杯の強がり。拗ねてぐっと口をへの字に曲げたヒカルが可愛くて
仕方がない。
「じゃあ、僕は君が話したくなるようにするだけだよ」
そう言いながらも、ヒカルが口を割る割らないに関わらず、最後まで
やってしまいたくなる。
ぺろりと自分の唇を舐めた後、アキラはその湿った舌をヒカルの蕾に
這わせ始めた。ひっと言う息を飲むような声が頭上で響く。それにかま
わず、内部を唾液で潤わせ、更にヒカルから溢れた精を絡め取った指を
ゆっくりと沈めた。
痛い、痛い、痛い。気持ちが悪い・・・。
身体の中で蠢く指に圧迫感を感じて、ヒカルは両方の手で畳を叩いた。
「うぅ、うっ・・・」
「ほら、力を抜いて。その方が楽だよ」
「あうっ・・・」
(15)
二本から三本に増えた指が、内壁を探るようにじわじわと動いている。
それをリアルに受け止めながら、ヒカルは触れられてもいない場所が熱
くなるのを感じて、ただ浅く早い息を漏らした。
何かに追い上げられて、身体の中のマグマが煮たって爆発するような
感覚。ヒカルが反応を返しているのに気がついて、アキラは根本を押さ
えてイクのを堰き止めた。
「う・・・あっ」
「イケなくて苦しい?」
こくんとヒカルが力なく頷く。
「じゃあ、最後にもう一度だけ訊くよ、進藤、saiは君か?」
視線を合わせてそう問われ、ヒカルは大きく頭を振った後、知らない
・・・と口の動きだけで答えて、目を閉じた。もう抵抗する気力も体力
もない、だけど、佐為のことを言うわけにはいかない。どうやっても答
える気のないヒカルに、アキラはため息をついた。
「本当に強情だね、君は」
ヒカルの片脚を自分の肩の上に担ぎ上げ、もう片方の脚の膝の内側を
アキラは自分の膝で強く押す。四十八手で言う『生娘割れ観音』という
体位だが、ヒカルにはそんなことは分かるはずもない。アキラにしても
知識として知っていたわけではなく、そうすればヒカルが脚を閉じられ
ないだろうと考えただけだった。
痛い!と思った次の瞬間には、自然とヒカルの脚が開き、腰を進めた
アキラの先端が身体の中へと侵入して来た。
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