初めての体験 136
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怖い―――――――!
男のヒカルを女に見立てて、拉致するなんて、よほど女に縁がないヤツだろうと思った。
このままここにいては何をされるかわからない。
ヒカルは逃げようと身体を起こした。いや、起こしたつもりだった。
「や……!なんでぇ!?」
ヒカルの手首は前で一つに纏められていた。自分の手を拘束しているガムテープをはずそうと
囓ったが、何十にもきつく巻かれたテープを剥がすことはできなかった。
「ちくしょ……!」
足こそ自由だが、その足下を見て驚いた。自分の下半身に付けられている衣装が目に入った。
太ももまであるニーソックスに、ベージュに黒のバーバリーチェックのミニスカート。
「冗談じゃねえ!」
何とか苦労して起きあがると、改めて自分の姿を見た。胸にエムブレムが刺繍された
紺のブレザー、白のベスト、胸元に大きなリボンが見える。どうやら、どこかの制服らしい。
「気が付いたんだね…ヒカルちゃん…」
後ろから声をかけられて、ヒカルはビクリと振り返った。男がゆっくりと近づいてくる。
男はヒカルの想像とは違ってごく普通の男だった。むしろ、いい男の部類に入る。
ヒカルはベッドの上で後ずさりした。
「やだ!来るな!」
ヒカルが身を縮めて男から逃れようとする。
「どうして…避けるんだい…僕はずっと君のファンだったんだよ…」
イベントには必ず行っているし、新聞の切り抜きも全部持っている―――怯えるヒカルを
尻目に男は熱っぽく語りかける。
「この部屋に君を招待できて嬉しいよ…やっと、本物のヒカルちゃんが来てくれた…」
男の手がヒカルの肩を掴み、再び、ベッドの上に横たえさせた。
「あぁ!いやぁ!離せぇ!」
ヒカルは足をジタバタさせたが、その抵抗さえ男は楽しんでいるようだった。縛られた両手で
必死に男を引き離そうとする。
男は縛られた手をヒカルの頭の上で押さえつけた。
「ヒカルちゃんは元気がいいんだね…本当になにからなにまで僕のタイプだよ…」
そう言って、空いた方の手で、ゆっくりとヒカルの服を剥がし始めた。
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