初めての体験 136 - 141


(136)
 怖い―――――――!
男のヒカルを女に見立てて、拉致するなんて、よほど女に縁がないヤツだろうと思った。
このままここにいては何をされるかわからない。
 ヒカルは逃げようと身体を起こした。いや、起こしたつもりだった。
「や……!なんでぇ!?」
ヒカルの手首は前で一つに纏められていた。自分の手を拘束しているガムテープをはずそうと
囓ったが、何十にもきつく巻かれたテープを剥がすことはできなかった。
「ちくしょ……!」
 足こそ自由だが、その足下を見て驚いた。自分の下半身に付けられている衣装が目に入った。
 太ももまであるニーソックスに、ベージュに黒のバーバリーチェックのミニスカート。
「冗談じゃねえ!」
何とか苦労して起きあがると、改めて自分の姿を見た。胸にエムブレムが刺繍された
紺のブレザー、白のベスト、胸元に大きなリボンが見える。どうやら、どこかの制服らしい。

 「気が付いたんだね…ヒカルちゃん…」
後ろから声をかけられて、ヒカルはビクリと振り返った。男がゆっくりと近づいてくる。
 男はヒカルの想像とは違ってごく普通の男だった。むしろ、いい男の部類に入る。
ヒカルはベッドの上で後ずさりした。
「やだ!来るな!」
ヒカルが身を縮めて男から逃れようとする。
「どうして…避けるんだい…僕はずっと君のファンだったんだよ…」
イベントには必ず行っているし、新聞の切り抜きも全部持っている―――怯えるヒカルを
尻目に男は熱っぽく語りかける。
「この部屋に君を招待できて嬉しいよ…やっと、本物のヒカルちゃんが来てくれた…」 
男の手がヒカルの肩を掴み、再び、ベッドの上に横たえさせた。
「あぁ!いやぁ!離せぇ!」
ヒカルは足をジタバタさせたが、その抵抗さえ男は楽しんでいるようだった。縛られた両手で
必死に男を引き離そうとする。
 男は縛られた手をヒカルの頭の上で押さえつけた。
「ヒカルちゃんは元気がいいんだね…本当になにからなにまで僕のタイプだよ…」
そう言って、空いた方の手で、ゆっくりとヒカルの服を剥がし始めた。


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 男の手が肌を這う感触に、ヒカルは身震いした。男が感嘆の声をあげた。
「ヒカルちゃん、肌白いんだね…それに、すべすべして…すごく気持ちいい…」
興奮した息が肌の上を滑っていく。男の指先が、ヒカルの胸の突起をキュッと摘んだ。
「ん…あぁ…!」
「ヒカルちゃん、おっぱい小さいんだね…でも、僕はこれくらいが好きなんだ…
 でかいだけのおっぱいなんて、色っぽくないよ…」
上擦った声で、ヒカルの耳元に囁く。
―――――小さいとか、大きいとかの問題じゃねえ!オレには、そんなモンついてねえよ!
そう叫ぼうと口を開いたが、出てきたのは「あ…いやぁ…!」「やだ…やめてぇ…!」と
言う哀願だけだった。
 その声に刺激されたのか
「ヒ…ヒカルちゃん…ヒカルちゃん……」
男はヒカルのスカートの裾に手を入れた。
 男の手がスカートを捲り上げると、そこから、可愛らしい下着が現れた。
『ウソだろぉ………』
ブラジャーこそ着けられてはいなかったが、その華奢な腰には可愛いレースとリボンに
縁取られた白い木綿のショーツを穿かされていた。当然、女性のものである。ヒカルは
驚きと恐怖で、固まってしまった。
 急に動かなくなったヒカルの青い顔を男が覗き込む。
「どうしたの?大丈夫だよ…怖くないからね…」
そのまま、顔を下にずらし、ヒカルの乳首に吸い付いた。
「あぁ……!や…やぁ…!」
「ヒカルちゃんの乳首って野イチゴみたい…可愛くっておいしいよ…」
男は、チュウチュウと音をたてて吸い上げる。
「いやあぁぁぁ…!やめて!やめてぇ……!」
ヒカルが泣き叫ぶと、男は殊更音を立てて、激しく吸った。
 そうして、男は、口で上半身を責めながら、手で下半身を撫でさすった。


(138)
 男の手が、ヒカルの丸くてスベスベした尻や、ほっそりとした太ももを這い回る。
「……ン……くぅ…やだよぉ…んぁぁ…」
「ヒカルちゃん…感じやすいんだね…ほら…こんなに濡れているよ…」
ショーツの盛り上がった部分をくすぐるように、男の指が触れた。その先端は、濡れてシミを
作っていた。
「やだ…!ちが…」
ヒカルが身体を捩って男の手を逃れようとする。だが、男は、布の上から何度もそこさすった。
その手の動きにあわせて、スカートが捲り上がっていく。
 耳元で男は、荒い息とともに卑猥な言葉を囁き続ける。顔が紅くなるような言葉の洪水に
ヒカルは顔を背けた。
「…純情なんだね……可愛い…」
 ヒカルの反応が、男の気をさらに昂ぶらせている。そのことにヒカルは気が付いていたが、
声を堪えたり、恥ずかしい言葉を無視することは難しかった。
「やめて………やめてよ……」
すすり泣くヒカルの股間を男は執拗に弄び続けた。最初はたださするだけだったが、ヒカルの
変化が顕著になり始めると、優しく揉んだり、濡れて先端が透けて見えるそこを布越しに
爪を立てたりした。
「あぁ!やだぁ!」
ただでさえ、異常な状況にヒカルの神経は過敏になっている。その上、敏感な部分に刺激を
うけて忽ちそこは熱くなってしまった。それに応えるように、男の手の動きはどんどん早く
なっていく。

 女性用の下着から今にも顔を覗かせそうなそこを隠そうと、ヒカルは足をばたつかせた。
男はヒカルの細い太ももを、自分のそれでしっかりと挟み込んで動きを封じた。大きな手は、
未だにヒカル自身を嬲り続けていた。


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 「いや!いやだ!いやぁ――――――――――――――!!」
涙混じりの高い悲鳴とともに、ヒカルは下着の中に放ってしまった。
「あ……あ…」
放出が完全に終わるまで、男は手を休ませなかった。ヒカルの身体は、痙攣を起こしたように
ガクガクと震え続けた。 
 やがて、ヒカルの身体が静まると、男が汚れた下着に手をかけた。頭の中は霞がかかったように
ぼんやりしていて、手も足も動かすことができなかった。ヒカルの瞳は、男の行為を虚ろに
ただ映しているだけだった。
 ヒカルの膝の下から腕を通し腰をすくい上げると、ショーツを徐々にずらしていく。
ほとんど無抵抗のヒカルから、下着を取り去るのは容易かっただろうが、男は拍子抜けしたのか
物足りないような表情を浮かべていた。男はヒカルが抵抗することを望んでいたのだろう。
ヒカルが声を震わせて泣き叫んだり、身体を仰け反らせて抗ったりすることに興奮して
いたのは明らかだった。
 男が濡れた下着を取り去ると、まだ幼いペニスが現れた。それは今のヒカルと同様に、
ぐったりと力無く項垂れていた。
 男の視線がその一点に集中しているのを感じる。ヒカルはギュッと目を閉じた。
「ヒ、ヒカルちゃん……」
男の熱い吐息が、下腹部に掛かった。と、同時にヒカルのペニスは熱い粘膜に包まれた。


(140)
 「あぁ!いやぁ!」
ヒカルには、男が何を考えているのかわからなかった。ヒカルを女装させ、少女の様に扱いながら、
男である証のペニスに平気で触れてくる。
 男の行動はヒカルの考え得る想像を遙かに超えていた。まったく何がしたいのかわからない。
わかっているのは、男がこれから自分を犯すつもりだということだけだった。
「やめて……やめて…お願いだから…」
こんな言葉は、相手を喜ばせるだけだと思いながらも、口にせずにはいられなかった。
 ジュルジュルと自分をすする音が、ヒカルの耳を打つ。
「もう、やだぁ!」
不自由な両手を突っぱねて、男の頭を引きはがそうとした。すると、男はその細腰を強く掴んで、
ますます深く呑み込んでいく。男の舌が、唇が、ヒカルのささやかな抵抗を簡単に封じてしまう。
ヒカルは小さくしゃくり上げながら、ただ身体を震わせることだけしかできなかった。
 暫くして、再びヒカルが堅さと熱さを取り戻したとき、男は漸く顔を上げた。無言のまま、
ヒカルの身体を俯せにし、腰に枕を当て、尻を高く上げさせた。ミニのスカートを捲り上げると、
剥き出しになった白い桃の実とそれにつづくほっそりとした腿が現れた。男の喉が鳴る。
さほど大きな音ではないはずなのに、妙に耳に付くのは部屋の中が静かすぎるからだ。
「ヒカルちゃん、気持ちよかっただろ?もっとよくしてあげるからね……」
言い様、後ろにヒンヤリと冷たいものがあてがわれた。


(141)
「ひゃぁぁん!」
ジェルを塗った指先が、ゆっくりと進入してきた。最初は一本。探るように中で蠢いている。
「………ん!」
ヒカルはシーツに顔を押しつけて、その動きに耐えていた。
 そんなヒカルの様子を見ていた男が、声を上げさせようとさらにもう一本指を増やした。
「あぁ!」
背後で男がニヤリと笑ったような気がした。
「痛い?大丈夫だよ。すぐに気持ちよくなるからね。」
三本目が入ってきた。ヒカルの秘門はいっぱいまで開かれている。
「んん!苦し……やめて………!」
ヒカルは呻いた。だが、「苦しい」と、口では訴えながらも、別の感覚が身体を支配し始めているのを
ヒカルは感じていた。
 「ん………はぁ……」
 男の指が、無遠慮に、ヒカルの中を我が物顔で蹂躙している。
『や……どうしよう…オレ…』
こんなヤツに感じている―――――――屈辱だった。
 ヒカルはここ数ヶ月誰とも肌を重ねていなかった。
―――――――――北斗杯が終わるまで、塔矢の碁会所には行かない!
そう豪語した手前、アキラに会いに行くのは自分のプライドが許さなかった。碁を打つのと、
SEXは別だと言う考えもちらりと浮かんだが、それははちょっと無視がよすぎるのでは
と思った。かと言って、他の人のところへ行く気にもなれなかった。北斗杯が終わるまでは………
と、自分にわざと、枷を掛けていたのだ。
別に相手に不自由してネエんだから、我慢せずに適当にヌイておけばよかったんだ!
 直接的なペニスへの刺激とは違って、後肛への愛撫は何ともいえずもどかしいような快感が
背筋を通り過ぎていく。
 今のヒカルにとって、指での愛撫でさえ、刺激が強すぎた。ヒカルは快楽に身を委ね始めて
いた。



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