Shangri-La 14


(14)
「何を、したい?」
「きまってるでしょ…セックス、しよう……ボク、欲しいんだ…」
アキラの潤んだ漆黒の瞳は、焦点を定めず緒方を見ている。
その表情は年齢とはかけ離れた猥らさで、頭に血が昇ると同時に背筋が寒くなった。
「何が欲しいんだ?」
「そんな…自分で誘っておいて、そんな野暮なこと、聞くんだ…」
アキラはもう今この昂ぶりを静めてくれるなら誰でも良くなっていた。
さらに先へ誘うべく、緒方の股間のジッパーを下ろして手を滑り込ませ、
勃ち上がっているものを愛おしそうに愛撫し始めた。
その手のもたらす感覚に緒方は一時うっとりしたが、
頭の中ではアラームがけたたましく鳴り、この先は危険だと知らせている。
緒方は、アキラをかき抱いて耳元に唇を寄せた。
「しばらく見ない間に、随分エロティックに誘うようになったじゃないか…。
お前にこんなに淫らに誘われたら、誰だって呑まれてしまうな…。
あいつは経験が少なそうだから、驚いたかな?
碁界の優等生が、その実、売女だったなんてな…」
ぴく、とアキラの手が止まった。
待って、待ってよ…、とアキラは抗議したが、緒方は構わず続けた。
「いや、それとも――こういう誘い方がお好みなのか?進藤は…。
見かけによらないな…お前にここまで仕込むとは…」

緒方は一つ息を吸い、冷静なよそ行きの声を作って言った。
「オレは、誰かの代わりにお前を抱くほどお人よしでもなければ、
誰でもいいから欲しいと乞われて受ける程、相手に困ってもいない」
不意に緒方から身体を放され、アキラは自分を支えきれずに膝をついた。
緒方はアキラに背を向けると、内ポケットから煙草を引っ張り出した。
アキラは、やり場のない興奮を身体の中に滾らせ、むせび泣いた。



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