平安幻想秘聞録・第一章 14
(14)
「あぁ、はぁ、あっ!」
苦しそうに漏らされていたヒカルの声が段々と艶めいてくる。初めて
受ける痛みと快感に、半ば意識が飛びかけたとき、佐為がヒカルの最奥
を突いた。熱い滾ったもので敏感な場所を擦られ、今度こそはっきりと
ヒカルは喘ぎ声を上げた。
「あぁ!佐為、佐為!」
「光、光」
耳元で聞こえる吐息混じりの佐為の声にさえ、身を震わせるほどの愉
悦を感じて、既に縋りつくことができず両脇に落としたままだった手で
夜具を掻き乱す。擦れる布の感触にまで、追いつめられているようだ。
「はぁ、やだ、何で・・・」
「光。感じてるのを、隠さないで」
「ん、ふぅ、あぁ」
ぐちゃぐちゃと濡れた音が自分のどこから発しているのか分からなく
なる。佐為が大きく動く度に、ヒカルは細く白い背中を柳の枝のように
しならせる。
「ほら、光、ちゃんと感じてますよ」
佐為に手を取られて触れた自分も、また硬く勃ち上がっていた。その
まま手を添えるように、自分とそして佐為の両方の手でまさぐられて、
ヒカルは耐え切れずに達した。それと時を同じくして、秘孔に熱いもの
が注がる。
「あっ、やっ、あぁぁ!」
それに刺激され、ヒカルは女のように絶頂が果てしなく続くような感
覚に陥った。佐為の愛戯が巧みなのか、それとも自分の身体が感じ易い
のか、ヒカルにはそれを考える余裕もなかった。ただ、ずっと為を近
くで感じていたい。
「佐為、もっと・・・」
「えぇ、光、あなたが欲しいのだけ・・・」
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