平安幻想異聞録-異聞-<水恋鳥> 14
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ヒカルが嬌声を飲み込むような仕草で頷いた。
「たまにはなぁ…、そういうのも、…いいか…なって……」
それでは遠慮なくと、佐為はヒカルの言葉に甘えて、より奥の壁を擦りたてる
ようにして、強く抜き差しした。
ところが、当のヒカルは先の言葉とは裏腹に、きつく唇を噛んでしまったのだ。
声を聞かせてくれるのではなかったのかと、ヒカルの顔をのぞき込めば
「意識したら、恥ずかしくなっちゃったんだよ」
と幽かな声で返事が返ってきた。
ならば、意識などしていられないほどに溺れさせてしまえばいい。
佐為は、ヒカルのからだのあちこちをついばむような愛撫を再開し、指で繊細な
感覚を呼びおこす。中も入り口から奥まで丁寧に責めて羞恥心を麻痺させてしまう。
徐々に、庵の中にヒカルの声が帰ってきた。
佐為の与える喜悦の波にさらわれ、自分が今どこにいるかも判らないほど感じきって
いるのが、そのふわふわした足先の動きでわかる。
ヒカルの右手がしっかりと佐為の首をかかえたまま、その左手が自らの乳輪に
伸びるのを佐為は見た。
すぐに理解する。すでに二度達した後だ。快楽ばかりが何倍にも強く感じられる
ばかりで、三度目ともなると男の体は達するまでに時間がかかってしまう。
苦しさのあまり、早く最後に行き着きたくて、思わず手が自分の性感帯に伸びたのだ。
ヒカルは佐為の下で、佐為の責めに悶えながら、自分で左の乳首をこねまわし始めた。
その淫猥な仕草を少し眺めてから、おもむろに佐為は唇にヒカルの右の乳首を含む。
「あ……あ!あぁっっ!あっっ!やっっん!」
身をよじるヒカルを押さえて、口の中の小さな固い果実の汁を味わい吸いたてる。
ヒカルの額から、玉の汗が噴きだした。
佐為は早くヒカルを楽にしてやりたくて、少年のまだ若々しい陰物に手を伸ばし、
包んでさすってやる。ヒカルがアゴを大きくそらして、右手の指を口に銜えようと
した。佐為がその手を捕らえて押さえる。
「ヒカル、声を聞かせてくれるんでしょう?」
と、囁いて再び乳首を口に含む
当のヒカルはその言葉を聞き取るどころではない。
右の乳首と、陰茎と、後ろの門と、一番直接快感を得る三つの場所を同時に強く
責められ、自分でも何かにつかれたように左の乳首をこね続けている。
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