守って!イゴレンジャー 14


(14)
挿入した途端、伊角の体に甘美な電流がビビビッと走り抜けた。
これか、これがセックスなのか!
伊角の頭上で白い鳩が舞い、祝福の鐘がりんごんりんごん鳴り響く。
まぶたを閉じれば「でかした、慎一郎」と嬉しそうに微笑む両親の姿まで浮んでくる。
「進藤──ッ!」
「い、伊角さん、もうちょっとゆっくり……」
馬車馬のようにつっ走る伊角に、これだからちぇりーぼーいは困るんだよ、
と顔に似合わない舌打ちをしつつ、ヒカルは伊角の背を優しく抱いた。
──たまには、こういうぎこちないのもいいな。しっかしまいったなー、
  伊角さんまでオレの事そんな目で見てたのかよ…。
ヒカルは経験豊富な割りに擦れたところのない素直な明るい少年で、
なおかつ他人の邪念に疎い。まさか他のメンバーにも我が身が狙われているとは、
これっぽっち(5ミリ幅)も思っていないようだった。
「ハッ、進藤、もう…ハァ」
伊角の限界が近い。
「え、もう?だってさっき入れたばっかしじゃん」
「…………」
「あ!ゴメン。わかった、うん、いいよ、イっていいです」
激しいピストン運動に合わせヒカルも腰を揺らし、中に放たれるその時を待った。
「ハァハァ──進藤ッ!」
「ん、伊角さんッ」
「──進藤ッ!」
「ん、んッ…」
「──し…ん……あれ?」
伊角の顔色が変わる。
「…は?伊角さん??」
──暗転。
公団ハリケーンに倒され、ほぼ全滅した配合飼料部隊のなきがらを前に、
帝王アキラはなす術もなく愛馬に愚痴をこぼしていた。
「悔しいよ…どうしてボクは帝國の王子として生まれてしまったんだろう。
 もっと愚民…いやいや、せめて中流階級の出身だったなら難なく日本棋院に
 所属して、今頃はレッドと共に世界を旅して囲碁の普及に努めていただろうに」
「気負うな気負うな〜、誰も追いかけてきやしないよ〜」
「慰めになってないよ、アシワラー」
「一応報告〜。オガタンは隠していた幼児性をうまいこと突かれて使い物にならないよ〜」
「くっ、オガタンの交通費は自己負担決定!それでレッドは今どこに?」
「場所ならわかるよ〜、イゴレッドの気はオレたちに性質が近いからね〜」
アシワラーは背中の四枚羽根をパタパタッと震わせ、
ヒカルの居場所である杉林の映像をアキラの脳内に飛ばした。
「あそこか!ようし!……でもこの公団住宅をどうしても抜ける事が出来ないんだ」
「“今日は見学だけさせてください”って言って通れば〜?」
さぁ!いよいよ帝王アキラのお出ましだ!
2時間スペシャルもいよいよ佳境!好手戦隊・イゴレンジャー!!



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