失楽園 14


(14)
 ヒカルのはだけた胸を、緒方が両手で撫でさするように愛撫する。そうするつもりはなくても
固く尖ってしまった小さな突起を、クイと強く摘み、すぐさま舌で慰めた。ヒクリヒクリとうごめく
肩や脚は、ヒカルの感じている様子をダイレクトに緒方に伝えた。
 アキラは相変わらず顔をベッドから背けたまま立ち尽くしている。その足が僅かに後ずさるのを
見咎め、緒方は眉を顰めた。
「アキラくん、見るんだ」
 緒方の膝頭がヒカルの固く閉じた両足を割り――、その付け根まで辿り着く。下から押し上げる
ようにヒカルの小振りのものを刺激すると、すぐに小さな悲鳴が聞こえた。
「あぅっ」
 スラックスが精液で汚れたかもしれない。そんな思いが一瞬緒方の脳裏を駆けたが、すぐに忘れた。
「ん…っ、ヤメ――」 
 裸の上半身をふしだらにくねらせ、長い前髪をバサバサとシーツに擦り付ける。そんなヒカルの
痴態に緒方はにやりと笑い、整えた爪先で彼の胸を軽く掻いた。
 刺激が強すぎるのだろう、ピクリと震える度に胸の突起を尖らせた舌で慰めていると、そのうちに
濡れた舌の感触にまで敏感に反応するようになる。ぴくんぴくんと断続的に痙攣を起こすヒカルを、
緒方は冷静に観察した。
「やっ、やだってば………!」
 ぷっくりと膨れた赤い部分に歯を立てると、ヒカルは何度も頭を振る。しがみつかれた腕が
少し痛むが、緒方は構わずにベッドサイドに立ち竦んでいる愛人の方に視線を流した。
「………」
 アキラは額に汗を浮かべて2人を見つめていた。興奮しているといった風ではなく、ただただ
傷ついたような色をその美しい顔に浮かべている。
 珍しいものを見たような気がして緒方が年若い愛人を見つめていると、アキラもそれに気づき
正面から見詰め合うような形になった。緒方は口の端を歪めて笑い、アキラを見つめたままヒカ
ルの乳首を甘噛みする。乳輪を塞ぐように唇をあてがい、チュウチュウと音を立てて吸うと、
ヒカルの下半身を押さえつけている膝に濡れた感触が伝わってきた。



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